音を味わう その1

僕の生徒さんに川上さんという鍼灸の先生がいます。
川上さんが問診の際に行っていることが
サックスの上達にも繋がる面白い視点であったのでご紹介させて頂きます。

川上さんが問診の際に行っていることは
患者さん自身の身体の状態を味わってもらうということ。

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ほとんどの患者さんは、「え~、味わうって!?」
と言いたげな様子で少々いぶしげな顔をするらしいですが
自分自身の体の状態に意識を向ける働きかけを行うだけでも、
感受性が高まりやすくなり、それだけで症状に対する感じ方が変化することがあると言います。

川上さんは、患者さんの痛みが出る患部を確認して10秒ほど痛みを味わってもらい
その痛みを

・言葉で表現するとどうなるのか?
・痛みを形にするとどんな形か?
・その痛みが声を出すと何と言っているのか?
・その痛みは何色をしているのか?

など、擬音化、大きさ、色、症状と繋がる場面などを尋ね、
より症状に対する認識を深めてもらおうとしています。
川上さんは、これらの問診でおおよその病因の検討をつけたうえで、
患者さんのお身体を診ていると言います。

おそらく、患者さんは、川上さんのこれらの質問を受けなければ
身体の状態や痛みを深く感じてみるということなどはなかったでしょう。
症状に対する感じ方も変化することがあるということは、
質問をされるまで痛みや身体の状態を患者さん自身が
正確に認知していなかったのだと思います。

人間は、意識していないものや無知であるものに関しては
例え、視界に入っていても見えない。音が鳴っていても聴こえない
そういう都合のよいところがあります。

ところで、あなたは、
ご自身のサックスの音を深く深く味わったことはありますか?

実は、僕も含めて自分の音を「味わう」という感覚でサックスを吹くのは稀だと思います。
なぜなら、サックスを吹いている時には、

基本的に余裕がないからです。
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そのため、自分の音を聴いていても
音を間違えるなどのミスは、尋常じゃないくらい神経を使っていますが
深く深く自分の音を味わうことができているのかというと皆無に等しいと思います。

レッスンでよくある光景として
できるフレーズはしっかりした音が鳴っているのですが
できないフレーズを何度も練習しているとだんだん音が痩せこけていき、
フレーズを間違えずに吹くということのみに一生懸命になっていく様子があります。

自分の音を味わうには、余裕が必要になります。

ロングトーンをしているとき
スケールを練習しているとき
曲の練習をしているとき
速いパッセージを吹いているとき

あなたは、どの時点で余裕がなくなり
自分の音を味わうという感覚がなくなりますか?

練習において重要なのは
間違わずに吹けることよりも
練習に課題(アジェンダ)を設定して、
その課題をできているか、できていないかを判断することです。

(上手な練習の仕方)
参考記事: http://xn--pckln2b.biz/xojo

この判断をするということのベースにあるのは
自身の音をしっかりと味わえるという心の余裕が必要だと思うのです。

逆にいうと、味わえる心の余裕がない場合は、
練習の課題を高く設定してしまっているということ。

もっと心の余裕を持てる練習ステップを設定することが重要でしょう。

難しいフレーズは、最初から吹こうとするのではなく

・リズムと音名を分解して理解する
・フレーズの一部分のみ取り出して練習する
・テンポを落として練習する

など、自分の音を味わえる(心の余裕を持つ)まで分解して練習しましょう。

自分の音を味わえているか
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と自分に問いかけてください。

きっと、その問いかけが練習の質を上げてくれます。

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