音を味わう その2

今回も、前回に引き続き音を味わうことをテーマにしたいと思います。
前回は、音を味わうには心の余裕が必要だというお話をしました。

では、もし音を味わう心の余裕ができたとして
どうすれば上手く音を味わうことができるでしょうか?

心に余裕を持ち、自身の音と向き合うことで
何かを感じ、今まで気づけなかった事を発見できれば良いのですが
もしかすると音を味わってみた感想が

「で?」
「・・・。」

となるかもしれません。

感じ方にルールがあるわけではありませんが
これまでと違った感じ方ができる方法をご提案したいと思います。

では、前回、紹介した川上さんが患者さんへ
問いかけていた質問を思い出してみましょう。

川上さんは、患者さんの痛みが出る患部を確認して
痛みを味わってもらい、次の質問をします。

・痛みを自分なりに言葉で表現してくれませんか?例えば、ドーンとするとか。
・痛みを形にするとしたら、どんな感じですか?
・また、その形に色があるとしたら、どんな色でしょうか?
・その痛みが声を出すとしたら、何て言っていますか?

この痛みをご自身の音に置き換えてみましょう。

自分の出している音を自分なりに言葉で表現してくれませんか?例えば、ドーンとするとか。
その音を形にするとしたら、どんな感じですか?
・また、その形に色があるとしたら、どんな色でしょうか?
自分の音が声を出すとしたら、何って言ってますか?

こんなことって恐らく、やったことがないはずです。

ただ、これらの質問があなたの音を改善し、
そして、練習している曲をさらに音楽的にするヒントが隠されています。

音やリズムを間違えなければ完成という段階から
さらに音楽を表現するというところへ昇華できるのです。

では、ひとつずつ丁寧に手順に沿ってやってみましょう。

質問1
「自分の出している音を自分なりに言葉で表現してくれませんか?例えば、ドーンとするとか。」

ターラッタッタ ドゥーヴァ

こんな感じで、自分の吹いている音を擬音化して表現をします。
音が広がっている感じなら、同じフレーズでも

ビヤァーヴァッヴァッ バヤァーバ

こんな感じになるかもしれませんね。

あくまでこれらは例で、あなたの感じたままを言葉にしてみてください。
特に正解というものはありませんので、自分の力で擬音化することが大切です。

質問2
「その音を形にするとしたら、どんな感じですか?」

実際に音を録音すると音は波形になって出てくるのですが
これもあくまでイメージで大丈夫です。
できれば、波形ではなく3Dで立体的にイメージした方が良いと思います。

音の出だしは、大きくて四角、その後だんだんと丸みを帯びてきて細くなる。

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とか、

ここの箇所は、ピアノ線の様に細くピンと張っている

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とか

楽曲を演奏する場合は、すべての音を同じ音質、音色で演奏するのではありません。
場面、場面によって形は変わってくるでしょう。

 

質問3
「また、その形に色があるとしたら、どんな色でしょうか?」

川上さんは、色のみを聞いていますが、僕は、ここに

・温度
・硬さや柔らかさ
・触った時の質感など

も加えてほしいと思います。

例えば、この音は、硬く鋭く動きが鈍い。重い感じの色でザラザラしている。

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とか、

水のように冷たく、掴めないかんじ。

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とか、

質感を感じることって重要だと思うのです。

質問4
「自分のサックスの音が声を出すとしたら、何って言ってますか?」

この質問は、もし自分が出しているサックスの音に人格があったなら
何を考えて、何を訴えているのかを考えると良いです。

苦しい、嬉しい、寒い、痛い、疲れた

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とか

風を感じて清々しそうだ

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とか

大切な人に想いを馳せるように
しっかりとご自身の音を労ってあげましょう。

どうでしょう?
こんな音の味わい方をやったことありますか?

この「音を味わう」という視点は、言い換えれば
これまでの視点とは別の角度で音色を観察してみるという事です。

そうすることで思ってもいない音の様々な表情が見えてきます。

あなたの音は、どんな形でどんな色でどんな言葉を話していましたか?

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