コミュニケーションのスタイル

今日は、コミュニケーションについて一緒に考えてみたいと思います。
少し深い話になりますが、がんばってついて来てください。

音楽はコミュニケーションだ、
というのは、以前から僕が主張していることであります。

このコミュニケーションのコミュというのは
共通のものにしていくことを意味する訳ですが
たとえ同じ言葉を使ったとしても
その言葉を発信する人とその言葉を受け取る人の関係性によって
共有する意味は違ってくると思います。

今は何のことを言っているのかわからないと思いますが
この事を具体的に考えていきたいと思います。

コミュニケーションは

言葉を使って、その言葉を指し示している対象物を伝えたい場合と
言葉を使って、その言葉とは違う何かを表現したい場合がありますね。

その言葉を指し示している対象物というのは、簡単に理解できると思います。

例えば、

「机の上にあるペンを取って」

と言われたときに、「ペン」という言葉が指し示している対象物はペンですね。

後者のその言葉とは違う何かを表現したい場合というのは
なかなか想像がつきにくいと思います。

例えば、

土曜日のある晴れた昼下がり。
ぽかぽかしている芝生の上であなたと恋人が二人で遊んでいるとします。
いや、仮定の話ですよ。あくまでも…(笑)

そこであなたの恋人が

『この空はとても深い青色ね。』という言葉を放ったとします。

この言葉によって、あなたの恋人は何を表現したかったと思いますか?

普段こういった類いの会話は、
日常生活にありふれていると思います。

これを少し分析してみると面白いことがわかります。

普通に考えて、言葉の指示対象である「青い空」の存在を
あなたに示したいという事は、ほとんどないと思います。

もちろん、明確にこの想いを伝えたいという意識はないと思いますよ。

でも、

『この空はとても深い青色ね。』

という言葉を放つことによって

「今日はいい天気だね」と伝えたいのかもしれないし、
「あなたと一緒にいれて幸せ」という想いを表現したいのかもしれません。
もしくは、「この空の様に私達は深い関係よね」と言いたかったかもしれません。

これが言葉を使って、その言葉とは違う何かを表現した場合です。

ここから言えることは、
言葉の持っている指示対象の話をしているのではなくて
『意味』にスポットライトが当たっています。

そして、その言葉が何を「意味」するのは、
あなたとの関係、その場の状況に依存しているということです。

・ある晴れている昼下がりの芝生の上
・あなたと恋人との関係

これらが、その意味の伝達を支えているのです。

「意味深」なんて言葉は、
まさにこういうコミュニケーションを表している言葉ですね。

そして、僕達がコミュニケーションをする時を振り返ってみたら
圧倒的に指示対象を指す様なコミュニケーションはしていないはずです。

ノンバーバルコミュニケーションという言葉があります。
ノンバーバルというは、非言語的なということ。

カルフォルニア大学の心理学者、アルバート・マレービアン博士が
『プリーズ』などの良くも悪くも取れる中間的な単語を使った場合に
声の調子や顔の表情などの「印象を与える要素」を変えると
相手に与える印象はどう変わるか、ということを実験しました。

それによると、それぞれの割合は

・言葉や話す内容…7%
・声・トーン…38%
・身振り・手振り…55%

になったとのことです。
言葉自体が伝えている割合は7%。
それ意外のノンバーバルの割合は93%です。

めっちゃキレている表情で

「別に怒ってないから!!」

と言っている人って、確実にキレてますよね(笑)

そういう場合も含めて
コミュニケーションは、言葉の指示対象ではなく、
何を表現したいのかという『意味』の方に
重点が置かれているケースの方が多いと思います。

僕は、この「意味」の方に重点を置かれる
コミュニケーションスタイルの究極の形が
音楽(芸術)ではないかと思うのです。

このコミュニケーションスタイルの重要な点は、

相手に伝わる『意味』が

あなたとの関係、その場の状況に依存している
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ということです。

例えば、僕とあなたが同じ『キラキラ星』を演奏したとします。

僕が演奏する「キラキラ星」とあなたが演奏する「キラキラ星」では

伝えられる人も、伝えられる内容も
新しく創造される世界も全く違うものになります。

なぜなら、この音楽によって伝えられる想いは
聴き手とあなたの関係、その場の状況に依存しているからです。

もう、お分かりの通り

そこには、演奏の優劣は全く関係しません。
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あなたと大切な関係を築いている人へ
あなただけが伝えられることがあるのです。

コンクールで1位になった技術力の高い演奏と、
今日サックスを始めてつたないながらも
なんとか『キラキラ星』が吹けた演奏は、同じレベルで尊く愛すべき音楽です。

自分の演奏に自信がないという人がいます。
自分の思う様に上手くならないと嘆く人がいます。
自分なんて大した人間ではないという人がいます。

でも、これらの事からどんな人にも大きな可能性を秘めているとは思いませんか?
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音楽を愛するのに、楽典の知識やテクニックは必要でしょうか?
人を愛するのに、心理学の知識は必要でしょうか?
自然を愛するのに、環境学の知識は必要でしょうか?

大切なのは、まず気持ちの部分だと思うのです。
テクニックや知識は、必要な分だけ後で付いてくるもんなんです。

あなたの奏でる音楽は、世界が必要としています。

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