改めて環境について考えてみる

サックスをやりたい、と思った時に
思わぬところで足かせになってしまうのが

「環境」

だと思います。

サックス上達においても
サックスを続けていくことについても
「環境」が大きな要因であることは言うまでもありません。

「環境」というと自分ではどうしようもないものと捉えがちになります。
残念ながら、そういう側面もあります。
どんなにがんばったところで、最高の環境が作れるわけではない。

だからと言って、上手くいかないことの
すべてを環境のせいにするのも違うと思います。

自分が置かれている環境において、
どれだけより良い環境を整備していくかがサックスを継続していく事、
さらにはサックスを上達していく事に繋がると思います。

「環境を整えること」は、「練習すること」と
まったく同じレベルで別の次元の要素として重要であることを
まずは、理解すべきです。

ここはかなり重要なポイントです。

1、練習すること
2、環境を整えること

このふたつは、全く関係のない別次元の要素です。

そして、

同じレベルで重要。
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通常は、上達しないのは練習しないせいだと短絡的に考えてしまいますが、
環境が整わなければ、その練習すらできません。

わかりやすく公式にすると

「練習すること」×「環境を整えること」=上達

です。

どっちかの数値が0であれば、答えも0になるので上達はありえません。

「練習すること」というのは、メンタル面でのコントロールや音楽知識、
楽器演奏技術などの要素も含めたすべての音楽能力を
向上させる練習の質や量のことです。

では、「環境を整える」とは 具体的に何を整えたらいいのでしょう?

これは、以前にもお話をしましたが
環境は以下の3つの側面で考えるとよいと思います。

それは、

1、場所を整える
2、時間を整える
3、楽器を整える

です。

まずはこの3つの環境を用意する必要があります。

そして、この3つの環境の質をあなたのライフワークに合わせて
どの様に高めるか、もしくは折り合いをつけるかを考えなければなりません。

無いものを嘆くよりどの様に有効活用するか
足りないものをどの様にカバーしていくかという視点が必要です。

今日は、この環境の3つの側面について言及していきたいと思います。

まず、ひとつ目の「場所」。

この「場所」も2つの側面があります。
ひとつは、「音を出せる場所」。もうひとつは「活動する場所」です。
「音を出せる場所」は、純粋にサックスを吹くことのできる空間です。

要するに練習場所ということです。

練習場所の候補は、tataのサックス講座の「Knock on the door of Saxophone」
でも取り上げているので、詳しくはそちらを参照してください。

http://tata-sax.com/LP/lp_knockon.html

もうひとつの「活動する場所」とは
バンドを組む、ビックバンドに所属する、学生であれば部活に入部するなどの
演奏を披露するコミュニティーの中に入ること。

もしくは、自分でコミュニティーを構築していくという事です。

もちろん、人と関わらず、一人でサックスを楽しむというのもアリだと思いますが
しかし、音楽をやる醍醐味は仲間や
演奏を聴いてくれる人との関わりを持つという事でもあります。

「新しい出会いなんて、今更ないんですけど…」
と思うかもしれません。

しかし、音楽をやっているという共通点があるだけで、
ジャンルや楽器に違いがあってもすぐに仲良くなれるものです。

僕はスーパー銭湯に行った時に、
YAMAHAのビニール袋を持っていただけなのに

「さっきYAMAHAの袋持ってましたよね?音楽やってるんですか?」

と、ちょい悪風のおじさんに温泉の中で話しかけられて
音楽談義に花が咲き、二人ともゆでダコの様にのぼせてしまった経験があります。

やっているジャンルも違う、楽器も違う、年齢も違う、
まったく知らない赤の他人のおじさんです。

でも、音楽という共通点があるだけで、すぐに仲良くなりました。

「活動する場所」を見つけるということは、音楽を通じて人と関わること。
音楽を一緒にする仲間を見つけ、自分の居場所を作ることです。

人と関わる事によって、音楽の知識や経験が増えていき、
一人で練習しているよりか数倍は上達スピードが上がりますし
何より楽しい。

まずは、勇気を持って人と関わることです。
音楽が好きなんだという印籠があれば、すぐ仲良くなれるものです。

では、どこにいけば仲間に巡り会えるかという具体的な話ですが
一番、簡単な方法は、自分に適したコミュニティーに
勇気を出して飛び込むということです。

いくつか例を挙げたいと思います。

・吹奏楽団体やビックバンドなどの団体に所属する
・インターネットのメンバー募集ページや
SNSなどでバンド仲間、セッション仲間を探す。
・レッスンに通う
・Jazzbarなどのセッションに参加する

などです。

tataのレッスンでも、生徒さんと老人ホームへ
訪問演奏に一緒に行っています。
それは、ひとりだけの音楽で完結しない様に
誰かと関わりを持つ前提で音楽を上達していくが必要だからです。

ジャンルによって、アプローチは違うと思いますが
自分のやりたい音楽のコミュニティーに飛び込んでしまうのが
一番、手っ取り早い方法です。

自分のレベルでそのコミュニティーに飛び込んで大丈夫か?
と不安になる気持ちは分かります。

そんな時は、とりあえず問合せして聞いてみればいいのです。
とりあえずコンタクトを取ってみる。メールを送ってみる。

そして、飛び込んでみて
そのコミュニティーが自分に合わないと感じたら

「ごめんなさい。ちょっと、自分には合わないです。」
と笑って帰ってこればいいだけの話ですから。

自分のやりたいジャンルがまだよくわからない人や
いきなり既存のコミュニティーへ飛び込むのに抵抗がある人は
まずはレッスンに通うというところから始めてもいいと思います。

レッスンも講師との出会いがありますし
生徒同士の出会いもあるでしょう。
その出会いから、次へ次へと人脈が広がっていきます。

人と関わることは勇気がいることだと思いますが
しかし、勇気を出して叩いた扉の向こう側には新しい世界が待っています。
ぜひ、勇気を出してたくさんの仲間に出会ってください。

次に環境のふたつ目、「時間」について。

時間がない。

というのは、現代人の代名詞みたいなもので
音楽活動に限ったことではありませんね。

よく

「時間は作るものだ」とか
「時間がないのは言い訳だー」とか

言われますが、
そもそもサックスを吹く時間が1秒もないくらい忙しい生活であれば
「サックスやろうかな?」なんて発想にはならないと思います。

このtataのサックス講座を読んでいるくらいですから
普通にテレビを見たり、友達と遊んだり、本を読んだり
飲み会に行ったりする時間はあると思いますし、
決してサックスを吹く時間を捻出できないというわけではないと思います。

つまり、時間はあるのです。
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しかし、サックスの練習をしようと思っても、いろいろと誘惑があるのも事実です。
TV、漫画、飲み会の誘い、家族サービス…

空いている時間にサックスの練習でもしよう
なんて思っていると、結局、何もやらないで1週間が終わったりしてしまいます。

そんな時の言い訳が

「いやー、サックスの練習したいんだけど時間がなくて…」

となります。

そりゃー時間がないですよ。
だって、そもそも空いている時間なんてないんですから(笑)
空いている時間に何かをしようなんて発想自体が間違いです。

例えば、水曜日の19時に友達と待ち合わせて、ご飯を食べに行く。
という予定があったとします。
事前の予定がおさない限り、間違いなく予定の時間に待ち合わせ場所へ行くでしょう。

練習時間を確保したいのであれば、
これと同じ様に「予定」として扱えばよいのです。

個人の練習時間を「予定」として組み込んでおけば
空いている時間に練習するのではなく、確実に練習時間を確保することができます。

誰かに

「この後、飲みにこうよ!」

なんて誘われても、

「ごめん!この後、予定あるんだ」

と言えば済むだけの話です。
どんな予定かはあえて言いません(笑)

ただ、友達とご飯にいく予定と練習する予定では
同じ「予定」でも違う点があります。

これは、友達という自分以外の誰かが関わっているのか
自分だけで完結するのかという違いです。

自分以外の誰かが関わっていれば
自分の都合でその予定を変更しづらいということがあるでしょう。
自分だけで完結してしまうと簡単に予定を変更することは可能です。

しかし、ここは堪えどころでしょう。
どうしてもはずせない「予定」であるくらいの意気込みがあって丁度いいです。
それくらい、たがをはめないと自分の意志って結構弱いものです。

というか、堪えるくらいサックスを練習するのが嫌だったら
サックスやめちまえってことですよ(笑)

練習は楽しんでやるものなんですから、あくまで、誘惑からの防御策です。

自分の生活スタイルとのバランスをとって
「時間」という環境を整えるという視点を持ってください。

最後、三つ目「楽器」について

楽器がないとサックスを始めることすらできません。
そういう意味でも「楽器」という道具の環境を整えることは重要です。

楽器購入については、こちらも
tataのサックス講座の「Knock on the door of Saxophone」で
触れていますので、そちらを参照して頂きたいのですが
今回は、サックス上達に関連する別の視点をお話したいと思います。

サックスを練習しているといろいろな悩みが出てきます。

・音が汚い
・吹きづらい
・音程(ピッチ)が悪い

などなど

それらを全部、自分の奏法のせいにしていないですか?
自分はヘタクソなんだから、と自分を責めてしまいがちになります。

実は、これはかなり多くの人がハマっている落とし穴なんです。

上手くいかないのは「楽器」に原因がある可能性
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があるということです。

すべて楽器のせいということではありません。

あくまで、可能性です。
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僕の楽器は、真ん中の「ド♯」(どこのキーも押さずに出る開放の音)の
音程がちょっと低いんです。

なんとか奏法でピッチ修正をしていたのですが
楽器の調整を出すときに、リペアマンに相談したら
すべてのキーの開き具合を、通常よりも若干、開いて調整してもらうことで
簡単に解決しました。

もちろん、楽器調整でできることとできないことがありますので
すべての悩みが解決するわけではないのですが、
「楽器」という環境を整備することで、悩みは解決することができたのです。

楽器の状態以外にも
リード・マウスピース・リガチャ・ネック・ストラップなども
実際の音や吹奏感にかなり影響を与えます。

ひとつひとつの道具には、
何も問題がなくても、組合せが悪いということもあります。

マウスピースのメーカーや種類をどうするのか?
リガチャーのメーカーや種類をどうするのか?
リードのメーカーや種類をどうするのか?

これらの組合せが、
音色を変え、吹奏感を変え、表現の質を変えていきます。

できるだけ自分にとって吹きやすく
自分の求めている音を実現可能にするセッティングにしなければなりません。

ここでもう一度、上達の公式を確認しておきましょう。

上達の公式は

「練習すること」×「環境を整えること」=上達

でしたね。

要するに「楽器の整備」をするのも
練習することと同じレベルで音や演奏に影響するということです。

どちらかでは駄目。
どっちの要素も必要となります。

昭和音楽大学に在学している時に先輩が

「いい音になる方法?
お金を出して、いい楽器を買えばいいんだよ」

と冗談で言ってたのを覚えていますが、これはある意味で真理です(笑)
ただ、「練習すること」の項目が0だったら
いくら良い楽器にしても上達はしませんけどね。

それでは、「楽器の整備」についてのチェックポイントをあげて置きます。

1、楽器のポテンシャル
楽器のメーカー、モデル、材質や仕上げ方
※同じメーカー・種類でも個体差があるので注意

2、楽器の状態
正しく調整されているか
もしくは、自分の奏法に合わせて調整されているか

3、マウスピース、リガチャー、リードのメーカーやモデル
※同じメーカー・種類でも個体差があるので注意。

4、セッティングの相性
マウスピース、リガチャー、リード、ネックなどの組合せによる相性。
※マウスピースの開きや素材によって、使うリードの厚さや種類も変わる。

5、リードの管理
リードは演奏環境や管理状態によって、
リードの状態が変わり、音に大きな影響を与える

6、ストラップ
音への影響力がそこまで大きくはない。(影響力がないわけではない。)
使用するストラップによって、身体への負荷の掛かり方が変わる。

これらのポイントを踏まえて、
「楽器」からの視点と「練習(演奏技術の向上)」の視点の両方から
上達の可能性や問題解決の糸口を見つけてほしいと思います。

「場所」・「時間」・「楽器」

この3つの環境を、

自分のライフスタイルに合わせて、しっかりと構築する
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という意識で取り組んでみるのはいかがでしょうか?

⇒【無料講座】サックスを始めたら知っておきたい7つのこと

tataのサックス講座