ピアソラ

今日は僕の好きな音楽を紹介したいと思います。

普通だったら、有名なサックスプレイヤーとか
サックスの曲を紹介するところでしょうが
これはtataのサックス講座ですから
tataが好きな音楽を好きな様に紹介していこうと思います。

実は、僕の一番好きな音楽はクラシックではありません。JAZZでもありません。
しかも、サックスも関係がありません。

サックスの内容を期待していたら、ごめんなさいね。
気が向いたら書きます(笑)

僕が一番好きな音楽家は、Astor Piazzolla(アストル・ピアソラ 1921-1992)です。
ジャンルはタンゴ。タンゴが好きというよりはピアソラが好きなんですね。

近年では、特にクラシックプレイヤーが(サックス奏者に関わらず)
ピアソラの作品を演奏している機会が多いので、ご存知の方もいらっしゃると思います。

特に有名なのが、1999年頃のサントリーウイスキーのCMで
ヨーヨーマ(チェロ)がピアソラのリベルタンゴを演奏していたので、
演奏を聴くとピンと来る人もいると思います。

タンゴと言えば、アルゼンチンのブエノスアイレスで生まれたダンス、
および、そのダンスミュージックの事です。

ピアソラはそんなタンゴの革命児、異端者、破壊者と呼ばれた人物です。

ピアソラはバンドネオン奏者であり、作曲家でもありますが
タンゴの破壊者と呼ばれるなんて、一体ピアソラは何をしたのでしょう?

ピアソラがタンゴに起こした革命は、タンゴをダンスミュージックではなく、
コンサートホールで演奏できる音楽へ進化させたことです。

ピアソラのタンゴの特徴は、クラシックやJAZZ要素を融合したことにあります。
幼少期にニューヨークに住んでいたことも影響していたと思いますし、
クラシックの分野では作曲を学ぶためにパリへ留学しています。

ピアソラが表現したタンゴは、これまでのタンゴとはかなり逸脱していたため
保守的なタンゴファンからは『ピアソラのタンゴじゃ踊れない』と言われたのです。
これがタンゴの破壊者と呼ばれた所以です。

僕がピアソラの大好きなところは
クラシックの作曲技法を使い、ある意味で知的な音楽にも関わらず、
表現される音楽は実に生々しく野性的であり、音楽の中に魂があるところでしょうか。

ピアソラの音楽を言葉で表現するという野暮なことをするならば

『裏切ったら殺すぞ、と言わんばかりのまっすぐで強靭な深い愛。
その裏に隠される嫉妬と悲しみと孤独…』

と言った感じです。

バンドネオンの音色がまた切ないんですよね。あぁ…

バンドネオンとは、聞き慣れない楽器かもしれませんが、
簡単に言うとアコーディオンの鍵盤がボタン式になった楽器です。
音色もアコーディオンに似ています。

クラシックの作曲技法って言われても、
何がクラシックなの??っていう風になると思うので
少し音楽的な説明を加えたいと思います。

クラシックの作曲技法に『フーガ』という技法があります。
これはバッハなどが活躍したバロック時代を代表する作曲技法なのですが
この技法をかなり乱暴に説明すると

フレーズの追いかけっこ
ーーーーーーーーーーー

によって、曲構成がなされる。ということになります。

『フーガ』で、恐らく一番有名なのは、
バッハの『小フーガ ト短調 BWV578』だと思います。

少し、障りだけ聴いてみてください。

最初に単旋律で主題(メインのメロディー)が出てきます。

その後、今度は別の声部(パート)から主題が聴こえてくると思います。
それが終わったら、また違う声部から主題が聴こえてきます。

こういった様にいろいろな声部へ主題をバトンタッチしたり、
複雑に絡み合わしながら曲が進行していきます。

単純に低音だから伴奏パート。高い音がメロディーパートという様な
曲の作りではないということがわかると思います。

つまり、伴奏とメロディーという概念で曲が作られておらず
複数の声部が主題を追いかけっこしながら、曲が展開していくのです。

ピアソラもこの技法をタンゴで使っています。
例えば、ピアソラの作品で「fugata(フガート)」という曲があります。

fugataというのは、フーガとしての要件を満たしていないものの、
一部、フーガの技法を取り入れた曲という風に思ってください。

この曲の冒頭部分ですが、主題のメロディーが
アコーディオン→ヴァイオリン→チェロ→ピアノ
とバトンタッチしているのがよくわかると思います。

あと、ピアソラはリズムにも特徴があります。

4分の4拍子は、1小節内に4分音符が4つ入る拍子ですね。

4/4:「1、2、3、4…1、2、3、4」
という言う様に、4拍がひとつのまとまりになっています。

8分音符であれば、1小節内に8つの音符が入りますね。
4/4:「タタ、タタ、タタ、タタ」ですね。

ピアソラは、4/4なのですが変則的な3拍子にします。
どうするかというと

4/4:「タタタ、タタタ、タタ」(8分音符が8つ)

このリズムはピアソラの作品であれば、
どの曲にも使われているんじゃないか
というぐらいの勢いで使われているリズムです。

このリズム自体がピアソラ音楽の特徴のひとつになっています。

どうでしょう?

ただ曲を聴くより、ピアソラの特徴を理解して作品を聴くと
また違った感じに聴こえてくると思います。

最近は、特にクラシックプレイヤーが様々な楽器でピアソラの作品を演奏しています。
サックス奏者も好んでピアソラの作品を取り上げています。

クラシックプレイヤーが演奏するピアソラは、音が洗礼されていて
それはそれでとても素晴らしいのですが
僕はやっぱりピアソラ本人が演奏している昔の演奏(録音)が好きですね。

あの時代でしか出せなかった質感というか
レトロでザラザラした感じが、また何とも言えない胸を締め付ける音なんです。

もし、興味があれば、ピアソラを聴いてみてください。

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