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]]>こんにちは tataです。
本日は「アートにおいて誤解は奥ゆかしい」というテーマでお話します。
言葉を選ばす言うとアートにおいて誤解されることは「良い」ことだよね、という事を言いたいのですが「良い」という日本語がどうもニュアンスが違っている感じがして、自分の感覚に近い言葉を探したところ「奥ゆかしい」という言葉に行きつきました。
音楽、絵画、写真、映像、詩、なんでも良いのですが、アートというのは表現活動をしています。表現をする立場からすると明確なメッセージや想いがあります。しかし、それを表現するにあたって説明するだけでは伝えられない何かがあります。例えば、「あなたが好きです」という想いがあったとして、その想いをたった「好き」という2文字に収められないからこそあらゆる表現方法を用いて人類は表現活動をしてきたのだと思うのです。
素晴らしい作品は、その作品からその事実以上のものを感じることが出来て、鑑賞者の心のより深いところまで感動を届かせることができます。ただ、僕はこの「伝える」「伝わる」ということに対して非常に大きな葛藤がある時期がありました。それは、本当の意味で「伝わる」ことなどあるのだろうか?という葛藤です。
「あなたが好きだ」という表現は、具体的な表現や言葉にしていけば、事実としての意味は伝わると思いますが、それはものすごく陳腐なわけです。
ありふれたことを伝えたいわけではなく、そこに詰まっている何にも変えがたいオリジナルな想いを伝えたいわけです。
そこでアートという表現方法を用いたときに、それはどうしても抽象的な表現になってしまいます。ただここに問題が発生していて、抽象的になればなるほど受け手には解釈するという余白が生まれます。つまり、抽象的にすればするほど、解釈のすべてを受け手に委ねることになります。アートという表現方法は、基本的に余白だらけなわけで、表現者の伝えたいことと乖離して「誤解」が生まれる可能性があるわけですね
かつての僕は、それが果たして良いものかどうかがわからなかったのです。
最近、面白い動画をみました。オリエンタルラジオのあっちゃんとフルーツポンチの村上さんのYoutubeでの対談です。
毎週木曜日の19時に放送しているプレバトという番組をご覧頂いている方は、村上さんの俳句の才があることはご存知だと思います。三省堂より2021年度に出版される予定の中学三年生の国語の教科書『現代の国語3』に村上さんの句が掲載されることが決まっており、番組外の自身の活動でも句会に参加されて、俳句はご自身の活動の中で大きな位置を占める割合になっているとのことです。
この対談の中で俳句について語られる部分があるのですが、村上さんは「自分の主観をそこ(俳句)に詰め込むものではなくて、客観的に自分はこの角度からみた映像をどれだけ詠んでくれた人にも立体化させてあげれるかを言葉で達成するかが大事」と仰っています。つまり、俳句にするということは表現者が何かを想って、それを表現したい、何かを伝えたいと思ったことが揺るぎない事実で、その想いや主観などは詠んだ人が描写した映像から感じてくれればいい、という事なんです。
ここに僕が葛藤していた「伝える」「伝わる」の答えがありました。
また、この対談動画にはまさにこのテーマの具体例がそのまま出ていて、村上さんが作った俳句に対して、村上さんがどう感じてその俳句を詠んだのか、また、あっちゃんがその俳句を感じたのかを話している部分があります。
その会話の部分を抜粋します。ちなみに村上さんが詠んだ句は以下です。
「君の足 這う蟻のこと教えずに」
2人の会話から分かるように「伝えようとしたこと」と「伝わったこと」が全く違うわけですね。村上さんは片思いの君に対する想い、あっちゃんは付き合っている君に対する想い。具体的な事象に置き換えるとまったくの誤解です。ただ、「全然違うことを想像していたのに、同じ句で「いいな」って2人が思えたこと自体がすごい」とあっちゃんが言った様に、そこには共通して愛する人へ想いを馳せる「美しさ」みたいなものが共有されたのではないかと思うのです。
アートが表現活動を通して伝えるべきことは主観や説明ではなく、その奥にこっそりと隠れている「美しさ」なのではないか、と思うのです。また、この対談の素敵なところはあっちゃんの感じたことについて、俳句の作者である村上さんが「その受け止め方も素敵だね」と、誤解を許容しているということです。
そもそも論として俳句自体が12音しかなく誤解を許容する形態であるという事ももちろんあると思いますが、本質的にどんな形態であれ、どう解釈するかという余白を表現者側が作っている以上、誤解を気持ちよく許容する余裕があるべきなんだと思います。
例えば、クラシック音楽を聴くときに多くの人は身構えてしまいます。それは、この音楽をどう解釈するのが正しいかを決められている様に感じるからだと思います。通常、表現者はこういう想いで作ったと語れば、それが解釈として「正しい」とされてしまいがちになります。
あっちゃんがしきりに「ムラケンの思い出話ではなく、全然押し付けがましくなくて俺の物になった」と語っていることに大きな意味があって、受け手が感じた「美しさ」こそ大きな意味があります。
表現者は誤解されることを恐れず、受け手は誤解することを恐れない。
二人の対談のように、僕はこんな気持ちで作ったんだよ。この作品は僕にとってこんな風に感じたんだよ。と、同じ土俵で語られることが何より素敵に感じました。
「アートにおいて誤解は奥ゆかしい」
今日はそんなテーマのお話でした。
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]]>The post LINE公式アカウントがすごいって話 first appeared on tataのサックス講座.
]]>tataは表での活動が活発ではなく何をしているのかわからないと言われる事が多いので、裏でどんな事を準備しているのかについてお話したいと思います。結論からいうと「LINE公式アカウント(旧LINE@)の整備」です。
これまでtataのサックス講座はメルマガを軸としていたのですが、昨年LINE公式アカウントへ乗り換えました。数年前からいつかはLINE公式アカウントへ移行しないといけないと思っていたのですが、昨年、LINE公式アカウントにできる事が思っていた以上に幅が広い事を知って乗り換えました。
本日の投稿では、LINE公式アカウントではどんな事ができるのか?それを使ってどんなビジネスモデルを構築しようとしているのかを包み隠さずお伝えします。多分、どんなビジネスでも応用できるはず。
LINE公式アカウントはLINEの企業アカウントです。登録してくれた友達(ユーザー)に一斉メールが送ることができます。そこはメルマガと同じなんですが、メルマガは一斉に大量のメールを送るので迷惑メールに間違えられたり、メーラーにすら届かなかったりする事があります。メルマガの一般的な開封率は10%と言われていて届かせるのすら難しいのが現状です。
LINE公式アカウントはLINEと同じフォルダにメッセージが届くので、まず届かないという事はありません。一般的な開封率は60%程度だと言われています。サービス提供者にとってLINE公式アカウントのメリットは開封率だと言われるのですが、僕が思う最大のメリットは必要な人だけに必要な情報を送れるという点です。
サービス提供者は、基本的に多くの人へ情報を届けたいと思っているのでフォロワーが増えれば増えるほど良いと思い込んでいるし、いろんな手段を使ってフォロワーを獲得する努力をすると思うのですが、ぶっちゃけ大事なのは登録数という見た目の数字ではありません。必要な人だけに必要な情報がちゃんと届くのが何より大事で、不要な人へのアプローチはノイズでしかありません。
例えば、tataのサックス講座で有料メソッドやレッスンの案内をするとします。初心者用の講座を上級者に案内する必要はありませんし、北海道に住んでいる人に神戸で行っているプライベートレッスンの案内をしても受講できません。
メルマガであれば登録頂いた方への一斉メールになるので、ユーザーが望んで登録したとしてもミスマッチなオファーを届けてしまう事があります。LINE公式アカウントは、設定次第でそのあたりを棲み分けることができます。そもそもLINE公式アカウントは1ヶ月間に送れるメッセージ数がプランによって上限が異なっており、その上限を超えると料金が加算していくシステムなので、送る側も必要じゃない人には送りたくないっていうのが本音です。
LINE公式アカウントでは、メッセージを送るだけではなく、アンケートを取ったり、リッチメニューを作ったり、カルーセルといったカードタイプの案内を作ることができます。
リッチメニューは指定したボタンを押せば予め設定したメッセージを自動的に送ったり、指定したリンクへ誘導できたりします。これにより無料講座(コンテンツの配布)、オンラインサロンの申込、レッスン申込み、tataのサックス講座のコンセプトやプロフィールなどもユーザーが自分で読みたい、申込みたい、と思ったタイミングで配信することができるので不要な人へ配信することはありません。また、ユーザーから直接、返信頂ければ個別対応もできるのも良いところです。
さらにユーザーそれぞれの動きに細かくタグを設定できるので、一斉メールを出すときにターゲットを絞ることができます。例えば、アンケート機能を利用して名前や住所などの個人情報以外にも、楽譜が読めるかやどんな事を目標にしているかなどの項目を作れば、そのアンケート結果に基づいた人のみを抽出してメッセージを送ることができます。具体的にいうとアンケートで「楽譜が読めない」と回答をした人だけを抽出して「はじめての楽譜講座」の案内ができたり、関西地域お住まい人のみにイベントの案内を出すことが可能です。
僕はさらに「Lステップ」というLINE公式アカウントの機能を拡張するツールを導入しています。これによってあらゆる自動化が可能になります。アンケートの回答を自動でタグ付けできたり、顧客管理ができたり、事前に作成したシナリオに沿って配信を設定することができたりします。これらの機能を使って公式LINEアカウント内に「無料連載講座」をコツコツと制作しています。
無料連載講座の目的は有料講座「tataのSax通信講座」のプロモーションです。僕は常々、プロモーションこそ有益なエンターテイメントであるべきだと思っているので、この無料連載講座をどこにも負けない超有料級コンテンツにしてやろうと企んでいます。現在、まさに作っている最中なんですが、これが思った以上に大変なんです(笑)
「tataのSax通信講座」は初心者から中級者を目指すことを目的にした講座で、具体的にはサックスの基礎奏法をマスターする事と読譜能力をつけることを目的にしています。また、この講座はノウハウの提供ではなく楽譜をダウンロードしてカラオケ音源に合わせて練習するという実践的な教材なので、楽譜の読み方や練習方法や基礎奏法などの「ノウハウ」は、事前にすべてお伝えしてしまおうというのが今回の無料連載講座です。無料連載講座は10日間連続で毎日15分の動画講座が配信されるという内容なんですが、この講座をスタートさせるかどうかもユーザー次第です。
この教材は初心者用の講座なんですが、サックス初心者って2つのタイプが存在します。ひとつめのタイプがサックスは初めて、音楽をするのも初めてで楽譜が読めない方。ふたつめのタイプがサックスは初めて、しかし、他の楽器は経験ありで楽譜が読める方。サックス基礎奏法と読譜能力はまったくベクトルが違う能力なので、音楽経験がある人とまったく楽器自体が始めての人では、同じ初心者でもプロセスも上達スピードも違います。
ただ「tataのSax通信講座」はどちらもタイプも対応可能です。要は同じ教材でも使い方を変えることでどちらのタイプでもストレスなく受講できる様に構成しているのですが、同じ教材でもターゲットが少し異なるためプロモーションのアプローチ方法が違うのです。(楽譜が読める人に楽譜を読むトレーニングとしてオファーしてもただのノイズになる)
そのため無料連載講座も2種類コースを選んで受講できるように設定し、ユーザーに合わせて内容が異なる無料連載講座を10日間配信する予定です。
という事は、1日15分の動画講座が10日間2コースなので制作する動画の数は20本。さらにLINE公式アカウントには自動応答機能があって「キーワード」に反応して自動的にメッセージを返信できる機能があり、その機能を使って動画講座の最後にお伝えするキーワードをLINE公式アカウントに入力すると5分のおまけ動画を配信させる仕様にする予定なので素敵。そうなると動画の数はさらに20本追加。さらにLINE公式アカウントのメッセージから動画講座のURLへストレスなく遷移させるために、本日の講座内容と視聴するメリットをまとめた1分動画をLINE公式アカウントのタイムラインに埋め込みます。それも各動画に設置するので20本。
この「tataのSax通信講座」のプロモーションのために用意する動画の数が合計で60本です(笑)誰かに追い込まれた訳ではなく鬼のような量の動画を用意する必要があります。→思いついたらどんなに大変でもやりたくなってしまうクリエイター病を患ってます(´∀`)
作るのはめちゃめちゃ大変だけど、一度作ってしまえば有益なコンテンツが自動的に配信されますし、また、新しく中級者向けの講座やタイプ別の講座を作った時も同じような有益コンテンツによるプロモーションを作っていけば、LINE公式アカウント自体が自動化されるコンテンツの要塞になります。
tataのサックス講座プロジェクトのビジネスモデルをビジュアル化するとこんな感じで3段階に分かれます。
フロントはYoutubeやオウンドメディアによる集客のためのコンテンツ。そして、LINE公式アカウントの自動化されたコンテンツの要塞。最後の層が有料コンテンツやレッスンやオンラインサロンです。
2019年にtataのサックス講座プロジェクトを再開させる際に最初に手をつけたのがtataのサックス講座のWEBサイトをオウンドメディア化することでした。
2020年はオンラインサロンを開催しました。(※すった揉んだあって有料サロンから無料サロンに変更しました。)ここでは理念に共感したメンバーとコミュニケーションを取って音楽活動の場を広げていったり、メンバーの音楽活動を応援したり、新しく講座を制作する時にディスカッションする場として考えています。
そして、2021年はこのLINE公式アカウントのコンテンツ要塞を作る事。そして、作り終えればいよいよフロントの活動(Youtube)に乗り出します。
本当は、サロン内でこれらすべてのプロセスをコンテンツにしてYoutubeやLINE公式アカウントの作業を同時進行させるつもりだったのですが、昨年の夏にYoutubeを始めてみてとてもじゃないけど、そんな大量のタスクを抱えてYoutube活動は無理だと判断しました。
Youtubeの世界に始めてちゃんと向き合ったときに現代人は思った以上にレコメンドされる世界に生きていると感じたんですね。こうなる事はわかっていたけど、AIの自動学習がもうここまで発達しているのかと。(→この話は別の記事でしっかり書きたい)そこを踏まえると少なくともレコメンドされる側にならないといけないので、フロントのコンテンツはAIとユーザーのどちらにも評価されるコンテンツでなければなりません。(特に初期については…)
そう考えたときフロントに最適化した質の高いコンテンツを週に○本アップするよう様に定期的にアップしていくことが必要だと感じました。なので、Youtube(を含むフロントの活動)は一旦、置いといて、バックをしっかり構築した上でYoutubeで戦える体制になってから挑戦しようと思いました。
ちなみに無料サロンの「オンラインサックス部」では、無料連載講座の制作の裏話やコンテンツ制作での気付きを投稿していますし、また無料連載講座の動画ができればすぐに公開していますので、気になる方はぜひ「オンラインサックス部」に入部してください。お待ちしています。
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]]>The post 有料オンラインサロンを閉鎖した話 first appeared on tataのサックス講座.
]]>こんにちは tataです。
昨年の4月にコロナ禍の中スタートした有料のオンラインサロン「Online Music Salon」を半年継続して昨年の10月末に閉鎖しました。現在は、無料のオンラインサロン「オンラインサックス部」に名前を変えて再スタートしたのですが、なぜオンラインサロンを始めたのか、なぜ有料を辞め無料にしたのか、どこに課題があったのかなどを包み隠さず書いていきたいと思います。
僕は上手さや競争ではなく純粋に音楽を楽しみ、大切な人へ音楽を届ける。そんな音楽がしたい。そして、そんな音楽を愛する人を応援したい。という想いで「tataのサックス講座」やレッスンなどの活動を行なってきました。これらのコンセプトを形にするためには、コミュニティーを作る必要があると考えていて、手探りでFacebookグループを立ち上げたのが2015年。なんと構想は6年前からスタートしています。
その後、僕の環境が大きく変わり(映像の世界へ寄り道したり、結婚したり、今は子育てが大忙し)一時期、tataのサックス講座のプロジェクトから離れる時期があったのですが、2019年に再スタート。昨年、念願のオンラインサロンを本格スタートしました。
6年前にコミュニティーの形を模索していたところ、ここ数年でオンラインサロンが一般化したのですが、本質として上下関係から平行関係への移動と、1対1、もしくは1対多数といったモデルからネットワーク化するのが重要だという考えです。
そもそも論として、教材をたくさん売るとかレッスンにたくさんの生徒に来てもらう、といった売上アップだけを目的にしていたとしたら、この活動をしていない訳で実現させたい世界があるというのが土台にあります。
そう考えたときに先生と生徒という様な上下関係のみのコミュニティーよりも、同じコンセプトに共感する「仲間」という平行関係を広げていったほうが目的にあっています。また、レッスンでは1対1、教材販売では1対多数とい`う直線で一方的な関係よりもネットワーク化して参加者それぞれの強みが発揮できるチームの方が世界が広がっていきます。そんな考えがあってコミュニティーの構築に乗り出しのですが、これが難しいのです
昨年、本格的にオンラインサロンを開始した時にサロンを有料にした理由は、2つあります。
・安全対策
・運営費
なんといっても1番気をつけたいのが「安全対策」。オンラインコミュニティーを作る時に1番重要なのが、安全にコミュニケーションを取れる環境を作ることです。
ツイッターがわかりやすいと思うのですが、誰でも匿名で見れて匿名で書き込める媒体って、拡散性はあったりするのですが、炎上したり気軽にアンチコメントを書き込みできます。これはコロナ禍でも見られた自粛警察の流れと同じなのですが、ちゃんと相手の実情も知りもしないのに自分だけの正義を掲げて弾圧する現象があります。アンチのように意図的に貶めるのではなく、コメントする側も自分の正義を掲げているだけあって悪気はないんですね。ただ、ここに重大な問題があって匿名である以上、それらの言葉(コメント)に責任を持てないんです。要はお互いの顔が見えていない(人間関係を構築していない)状態でコミュニケーションが空中分解しているんです。オンラインのデメリットってそこで、ちゃんと相手を尊重してコミュニケーションを図れる環境ではないんですね。
そこで有料にする事の最大のメリットは、そういったヤジを飛ばす輩が入って来れない(入ってくるだけ損する)環境を作ったり、顔や名前もわかっていて人と人が関係性を構築する当たり前の状態のまま、オンラインでコミュニケーションを取れるクローズドな環境を作れるということでした。運営費については、部活でも部費を集めるように集めた会費はサロンの企画や運営に100%使うという事で、有料にすれば企画がやりやすくなるという理由です。しかし、そもそも売上が第一目的ではないし、費用が必要な際は企画ごとに徴収すればいいだけなのでこちらは、そこまで大きな理由ではありません。
何が失敗したって、単純に人が集まりませんでした(笑)
サロンを運営していて「参加者が少ないので企画が盛り上がらないーo(`ω´ )oアイディアはあるのに出来ない(T . T)」っていうのが多かったんですね。
そもそもいきなり人数を増やすつもりは当初からなく、十数名ぐらいでスタートできたらいいなと思っていました。まずは小規模で試行錯誤してみて、その中でコミュニティーの文化やルールが成熟してから人数を増やしたいという目論見があったんですね。しかし、スタート時に4人しか集まらず、その後も増える気配もありませんでした。
人数が少ないが故に膝を付け合わせてコミュニケーションを取りながら、実験したり、企画したりしたのは、これまでにない楽しい日々でした。コロナの中でサロンメンバーとリモートアンサンブルやZoomを使ったオンライン座談会、フレージングチャレンジなど、オンラインのみでできる企画を一緒に考えたり、オフラインで交流会や練習会などのイベントもしました。
ただ、いかんせん人数は少なすぎたのが何をするにしてもネックになっていました。人数が集まらないひとつの理由に有料があったと思います。
ここがオンラインサロンを分かりにくくさせているところだと思うのですが、オンラインサロンって、仲良しグループ(コミュニティー)とサービスの中間の性質があって、僕はコミュニティーリーダーであってサービス提供者ではないという方向性です。つまり、本質的にいうと提供されるコンテンツに価値があるのではなく、コミュニケーションに価値があるように設計したいんですね。ただそれだと有料である意味がわかりにくいので(特に入会する時は)、毎月こーゆーことをやりますよ、とか、こーゆーコンテンツを提供しますよ、という立て付けにしていました。それが週2回のコラム投稿であったり毎日のZoom座談会であったりしました。しかし、それが逆に「サービス」という観点で捉えられた部分はあると思います。
ただ、有料サロンが失敗したのは新規の参加者が集まらないという事ではありません。新規参加者がいないのは有料だからではなく新規参加者までの導線をシステム構築できていないのが原因です。おそらく、フロントでの募集活動をスタートすれば有料でも人数は増えていき、安全なコミュニティーが出来ていくとは思います。「失敗した」というのはそこではなく、僕が参加すると思っていたメンバーが参加しなかったことにあります。実はそもそもこのサロンの募集は、基本的に僕が持っていたグループに向けて募集したものだったんです。
有料にする理由がコミュニティーの安全対策であったとしても、有料にすると現在サックスや音楽に対してアクティブなメンバーしか集まりません。
それでいいのかっていう話です。
僕は上手さや競争ではなく純粋に音楽を楽しみ、大切な人へ音楽を届ける。そんな音楽がしたい。そして、そんな音楽を愛する人を応援したい。という想いがありそんな世界を実際に作る理想を掲げてサロンを始めました。
そう考えた時に広い意味で音楽は生きていくのに欠かせないものだけど、日常の中で音楽ライフを構築するのは簡単なことじゃないんだよなーと思う節があります。僕も今、1歳の娘がいて子育てをしているのでわかるのですが、子育てとか仕事が忙しくて余裕がない場合はどうしても音楽をすること自体が難しくなってきます。
そうした場合は有料は重いハードルになると考えました。
仕事が忙しくてサックス自体をお休みしていたり、子育て中で今はとてもじゃないけどサックスどころじゃないとしても、オンラインサロンにとりあえずは参加できるようにしておいて、オフラインのイベントやZoomイベントなどもタイミングや環境が整った時に気軽に参加できる方がいいと思うのです
それにこのコンセプトに共感する人の集まりは、別にサックスや音楽ではない軸で仲良くなってもいいと思うのです。例えば、子育てをしていていつかママさんパパさんでカルテットを組んで、子供向けの演奏会を企画するとか素敵じゃないですか。サックスがきっかけなんだけど子育ての悩みを共有したり相談したり、先輩ママさんやパパさんの意見が聞けたりなどサックス以外にも広がりがあるといいですよね。
子育てを例にしましたが、もっと別のことだっていいのです。音楽と共に生きるライフスタイルを目指している人たちの集まりなので、他のことだって気があうかもしれません。
こういった可能性を探るためには無料の方があっていると思います。
さらに言うと、このサロンが掲げるコンセプトに共感する人が広がりを見せたときに世界に対して大きな影響力を持つと思うのです。
競争ではない音楽
上手さでマウントを取られない人間関係
純粋に音楽を愛し、自由に音楽を奏でる喜び
自分にとってちょうどよい距離感で音楽と共存していくライフスタイル
そんな世界をメンバー全員で創っていきたいのです。
今回、無料版オンラインサロンに移行するにあたってこの問題をどう解決するかを考えました。安全にコミュニケーションができる環境にしなくてはいけないので、参加は無料だけど「関所」を設けることにしました。
LINE公式アカウント内に設置した申込フォームから参加申請をして頂き、個人情報等をお預かりした上で参加して頂くことにします。匿名での参加はNGでオフラインの人間関係と何も変わらないという前提をご理解頂いた上、参加して頂き、不適切な発言や行動があった場合は退会処分にします。コミュニティーはオフライン・オンライン問わず人が集まれば、些細な問題は勃発するものなので、その都度、共有しながらメンバー全員で気持ちが良いルールや文化を作っていきたいところです。このコンセプトに共感している人が生きやすいコミュニティーにしたいです。
オンラインサックス部の参加はこちら ↓
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]]>The post サックス初心者が取り組むべき練習をまとめました first appeared on tataのサックス講座.
]]>この二つの能力を向上させていく事によって、徐々に難しい曲も演奏できる様になります。1のトレーニングは、「基礎練習」、2のトレーニングは「譜読み」と呼ばれています。ピアノや他の楽器の経験者であれば2については既に習得済みなので、1に特化して取組めば良いでしょう。
もし、音楽経験がなく楽譜を読むのが初めての場合は、サックスを吹くトレーニング以外に楽譜を読むトレーニングを同時進行で行うことになります。ただ、この二つの能力を向上させた後に曲に取り組むのではなく、難易度に応じた曲に取り組みながら、これらの能力を向上させていくのが楽しみながらサックスを上達していくコツになります。
さて、サックス初心者が練習に取り組むに辺りに、サックス初心者とはどのレベルで、どこに向かって練習を進めるべきか、まずここを明確にしておきたいと思います。つまり、これが出来れば、サックス初心者は卒業というレベルです。
「難易度がそれほど高くない楽譜を購入してきて、自力で曲を演奏できる」
今回の記事は、このレベルを達成するために必要な練習をまとめました。
基礎練習は、初心者のみが行うトレーニングではなく上級者も同じメニューを継続的に行います。初心者と上級者の違いは練習目的です。不思議なことですが、同じメニューをしているのに、初心者と上級者では、練習の目的や視点が異なります。ここでは練習項目と初心者の目的を明記します。ちなみにソプラノサックス、アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックス、いずれのサックスも共通する課題です。
楽譜は、乱暴にいうと2つの要素で成り立っています。ひとつは、音の高さの情報。二つめは音の長さという情報です。
この二つの情報を同時に読み取れる様になれば、初期段階としての譜読みはクリアしています。もちろん、楽譜はそれだけなく音楽表現や音楽構成など、僕たちが楽譜から読み取るべく情報が詰め込まれているのですが、まずはどのタイミングでどの音を吹けば良いのかにターゲットを絞ってトレーニングしていきましょう。
※スラスラ読めなく良い。
サックス練習において一番無駄な練習は「なんとなく吹いている」という状態です。なんとなく吹いている状態は、何をしていいのか手順を知らない状態でいきなり完成を目指して曲を練習することなどを指します。
練習には目的がありその目的が明確に設定できなければ、「なんとなく吹いている」状態になってしまいます。まずは練習するにあたっての、ものすごく重要な心構えとポイントが3つありますので、ご紹介します。
サックスを吹くということは、実はかなり複合的な動作を同時に行なっています。それらの動作が日常生活に組み込まれている動作ならまだ良いのですが、日常生活ではやらない頭の使い方と身体の使い方を同時に行うことを「いきなり」要求されます。練習をする際のとても重要な視点は、目的を絞るという事、もうちょっと正確にいうと「できない事を因数分解して、練習目的を明確にする」という事です。
例えば、
ひとくちに「サックスを吹く」って言っても、これらの事を同時にやらなければならないのです。だからこそ、練習では目的を絞って「いきなり」すべてを同時に行わないというのが重要な考え方です。例えば、「いい音を出すこと」に集中して行う練習が「ロングトーン」という訳です。では、さらに因数分解してみましょう。「いい音を出すにはどうすればいいか?」
という様にいい音の要因を因数分解するとさらに目的が立ち上がります。
いい音を出すためにはこれらのことを同時に行う必要がありますが、いきなり同時にはできないので、今回のロングトーンは「アンブシュア」を意識して練習するようにしよう!!という風に、目的を明確にして練習することができます。
この様に同じメニューを練習したとしても、目的を変えて練習する事が可能です。音楽の練習は、ひとつの練習メニューが複数の目的のために存在しています。だからこそ目的を見失った練習は「なんとなく吹いている」という状態になってしまいがちになります。
目的なき練習は、練習とは言わない。
先ほどの「練習目的を絞る」という内容にも繋がる話なのですが、音楽は複合的に様々な情報を処理する行為です。ですので、練習では、どこまで自分の脳みそが処理できた上でその行為を為し得ているのかを意識すべきです。目的を絞って反復練習していると、今まで脳メモリーを60%使用して行なっていた行動を5%以下でできる様になります。いわゆる身体で覚える状態。マッスルメモリーに変化しています。そうすると空きがでた55%の領域を使って、新しいことが可能になります。
つまり、練習の積上げは脳メモリーで行なっていた脳内処理を圧縮してマッスルメモリーへ変換し、さらなる複合的な情報を同時処理するための地道な作業です。だからこそ練習範囲は脳のキャパシティーをオーバーしない範囲で行うようにしましょう。速いテンポの曲はゆっくりすることでデータを軽くすることができます。できないことを細かく因数分解し、練習目的を絞ることでデータを軽くすることができます。
この様に練習の目的を決めるポイントは、どれだけ脳が処理できるか、に応じて変わってくるということです。
練習は、脳のキャパシティーの範囲内でおこなうべし
サックスにおいて、曲を吹くことが複合的な動作の最高峰と言えますね。だからこそ、曲練習を行う時は、最初から最後までいきなり吹くなんてことは以ての外です。
まず、曲練習を行う手順は分解することです。できるところ、できないところを分けてプラモデルのパーツのように分解します。まずは、ひとつひとつのパーツをできる限り丁寧に反復練習しましょう。パーツを綺麗に磨けば磨くほど組み合わせたときの完成度が変わってくるので、今できる限り丁寧にパーツを仕上げていきましょう。こうやって部分練習をしてから、すべて繋げて練習をするという方法をとります。
曲練習はパーツを仕上げてから、組み立てるべし
この3つのポイントを抑えて練習に取組めば、回り道なように見えて一番、効率の良い練習になります。
練習メニューの組み方は、練習できる時間や状況によって異なります。
週に1回1時間しか練習時間が取れない人と毎日3時間練習時間が取れる人では、同じ練習メニューは組めないですし、2週間後の発表会までになんとか曲を完成させなければならない状況で基礎練習だけの練習メニューなんてできないですよね。
ですので、練習メニューの組み方は今ある状況によって異なるし、常にフレシキブルに変化させるべきだと思います。
この二つの項目は、底力をつける練習になるので時間があるときや切羽詰まっていない状況なら、練習可能時間の6割の時間をかけて取り組むとよいと思います。残りの4割の時間で曲に取組めば良いバランスの練習メニューが組めると思います。
ちなみに基礎練習は、筋トレメニューのよう毎日同じことをルーティーンで行うには項目が多すぎるので、練習内容は変わって良いと思います。例えば、スケールや運指を覚える段階では、毎日違うスケールをコツコツ練習するのは効率が悪いです。すべてのスケールを練習するのではなく、覚えるまではひとつのスケールしか取り扱わないと決めると良いと思います。
ロングトーンやタンギング の練習は、目的意識と音域(取り扱う音の範囲)は変わっていくものの練習内容としてはある程度ルーティーンでも良いと思います。
この二つの項目は練習メニューから省いてOKです。いきなり曲の練習からはじめましょう。しかし、基礎練習や楽譜を読むトレーニングを曲練習で組込むと底力もつけながら練習ができます。
例えばですが、練習している曲の音を使ってロングトーンをする。しかも、ただの基礎練習のロングトーンではなく、実際にその曲を演奏するときの吹き方でロングトーンをします。他にも曲のリズムや音符を使って楽譜を読むトレーニングをする。実際に曲で使っている音高やリズムなので、そのまま曲の練習にもなります。つまり、どんな曲も究極のところまで「因数分解」すると曲練習といえども「基礎練習」になるのです。こうやって時間がない時は、曲を上手く使って底力を付ける練習を心がけてみてください。
さて、今回は「サックス初心者の練習」についてまとめました。いかがだったでしょうか?ものすごい遠回りに聞こえたかもしれませんが、結果的にこれが一番効率が良い練習方法です。あなたのサックス人生が素敵なものになる様、応援しています。
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]]>The post 光か、闇か、緊張する演奏会 first appeared on tataのサックス講座.
]]>前回は、「緊張」という名の魔物の正体についてお伝えしました。
人間は、通常ではない状態や環境に置かれたときに防衛反応として、ノルアドレナリンが過剰に分泌して無意識に体中に血が巡り、脳が一気に覚醒し、心拍数や血圧が上昇、より多くの情報を取り入れるため瞳孔は拡大、筋肉など一時的に機能が向上する、ということでしたね。
この時点では単なる危機に遭遇した時の、ある意味正常な身体の反応なので、この身体の変化が「良し」なのか、「悪し」なのかという色は、少なくともこの時点ではついていません。
前回の記事の冒頭でお伝えしたように、緊張することで、良い結果を導ける人と残念な結果になってしまう人は何が違うのか、これらの身体の反応がどのように作用した結果なのか、ということを、今回は考察していきたいと思います。
まさに、光か、闇か…。ですね(笑)
緊張を味方にして、通常よりも良い結果を生み出す人は結果的にこの一時的な身体や脳の機能向上を上手く利用できた人である、というのは、容易に結論づけることができます。まさにスポーツの中で一部の人が体感する「ゾーン」という現象はこれまでのことで説明ができます。
「ゾーン」は、極限の集中状態のことで「周りの人の動きがゆっくり動いてみえる」「ボールが止まってみえる」こんな状態のことを言います。
スポーツの場面でなくても死ぬ間際や交通事故にあった時に周りの景色がゆっくり見える話は聞いたことがあると思います。一流の演奏家やスポーツマンは、意識的にこのゾーン状態に入れると言われていますが実際のところどれくらいのレベルなのかは他人では知り得ることができません。
ただ、重要なキーワードは「極限の集中状態」ということです。ゾーンでなくても、テレビゲームに集中しすぎてゲームがクリアするまで足が痺れていることに気がつかなかったというような経験は誰にもあると思います。没頭している状態といってもいいでしょう。
こういう状態に持っていくことができれば、緊張状態に訪れた一時的な身体や脳の機能向上を上手く利用できる訳です。脳のワーキングメモリーが通常よりも増え、脳内の信号伝達速度があがります。普段では見えないものが見え、いつもは聞こえない音が聞こえ、何気なく肌に触れる感触が敏感になり、いつもはわからない繊細な味を体感し、かすかに漂う匂いを感じる。少し先の未来を予測でき、その未来をなぞるかのように身体はイメージ通りに動きをする。我に返ったときには、拍手喝采を浴びている。緊張という魔物を味方にしたときは、こういった状態です。
逆に、緊張を味方にできずに残念な結果になってしまう人はこの一時的な身体や脳の機能向上を上手く使えないために普段では、できていることすらコントロールできない状態に追い込まれます。
「緊張」の恩恵に与るために、必須のキーワードは「極限の集中状態」でした。通常の集中力というレベルではなく、没頭というレベルの「集中状態」が必要です。もし、この「集中状態」でない状態で、緊張という魔力を与えられると我々は戸惑いを覚えてしまうのです。
普段は楽譜の音符を一生懸命に追っていることに一杯一杯なのにお客さんの表情が鮮明に見えてしまう。
ドクドクなる心臓の音。お客さんの笑い声。本番が迫る時計の音。いつもは気にしない空調の音
気持ちが悪い手汗の感触。いつもは意識もしないサックスの指に触れるキーの感触
口の中が乾きを感じ、水を飲む。いつもは気にも留めていない繊細な水の味の違いや舌や喉を通っていく感触
ホールの木の匂いやライブハウスの独特の匂い。普段は、感じない感覚に戸惑いを覚え、普段とが違うことに不安に感じ、集中とは懸け離れた方向へ意識が向いてしまい緊張という魔物のダークサイドに落ちていくのです。
その結果、通常の状態でなんなく出来ることが、誤作動をおこしシステムエラーになります。まず、改めて確認しておきたいことはこの身体の変化は、自身ではコントロールできない無意識のレベルで行われるということです。
防衛本能というか、反射というか、そういった、自分ではコントロールできないことをなんとかしようと解決策を見つけようとしていることにこの問題の難しさがあります。
次回の記事では、どうすれば魔力をライトサイドで使うことができるかについてお伝えします。
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]]>など、人前で演奏する時にだけ現れる緊張という魔物が悪さをして、悩んでいる人も多いのではと思います。一方で、その魔物を味方につけて
など、魔物の魔力を自分の力に変える方もいます。
音楽の舞台に関わらず、人前で演説やプレゼンをしたり、勝負をかけた試験や試合などで、人は「緊張」という魔物に遭遇します。誰もがこの魔物を上手くコントロールしたいという欲求はありますし、コントロールできれば、それだけでどれだけ人生が楽に生きれるかと計り知れないものがあると思います。
ちなみに僕は、緊張の魔物に食い潰されることの方が多く、過去に幾度となく、この魔物を恨み、悩み、戦ってきたことか・・・
つい最近のコンサートの休憩中でも、「なんで、これまでたくさん本番をやってるのに、いつになっても本番って慣れないんだろうね」とピアニストと楽屋で話をしたぐらいです。
あなたが、どの程度この魔物に悩まされているかはわかりませんがあがり症であると自覚されている方は、ノイローゼになるくらい深い悩みだと思います。そんな緊張という魔物に悩まされて来た僕だからこそ、お伝えできる緊張対策、魔物の攻略法があります。今回は、3回に分けて魔物の攻略法をお伝えしたいと思います。
さて、まず敵を知らなくては、対策が立てれません。あなたは、「緊張」という魔物の正体を知っていますか?
人は、緊張すると冷や汗、手の震え、声の震え、赤面など、身体的に制御不能になりますね。ノルアドレナリンが過剰になり、交感神経が活発化しすぎて自律神経のバランスがとれていない状態。これが「緊張」している状態です。
厄介なことに自律神経のバランスを自分では直接、コントロールできないことが問題です。緊張しないようにしようと思えば、思うほど悪循環になりますね。緊張をどう克服するかはさておき、そもそも、なんで人は、舞台に立つと緊張してしまうのか、という事を考えたいと思います。それが、緊張という魔物に向き合う第一歩です。
あなたは、なぜだと思います?ちょっと考えてみてください。
・・・
考えました?
緊張というのは、通常とは違う状況に起こります。舞台に立ったり、大切な試験の前だったり、愛する人への告白の瞬間だったりと普段の心理状態ではなく、特別な状況や環境に身を置いている時ですね。通常ではない状態。つまり、これって自分にとってピンチ(危機状態)のときなんですね。人はピンチやストレスを感じると、ノルアドレナリンが過剰に分泌します。火事場のバカ力ってありますよね。自分が危機的状況のときに通常以上の力を発揮してしまうあの状態。いわゆる「緊張」というのは、この火事場のバカ力が発動している状態なのです。
本来、このノルアドレナリンは、人類がまだジャングルに住んでいた頃、自分より大きな猛獣に襲われるなど、危機的状況に陥ったときに一時的その状況を回避するときに分泌される脳内物質です。このノルアドレナリンが分泌されると、一時的に身体能力があがります。体中に血が巡り、脳が一気に覚醒し、心拍数や血圧は上昇、より多くの情報を取り入れるため瞳孔は拡大、筋肉などの機能も上がります。
人は、「緊張」をすると自分が無意識でこういった身体や脳の変化が起こっています。まず、「緊張」をどうするかを考える前に無意識で身体や脳が変化しているということを知るということが、第一歩です。ひとまず、緊張という魔物の正体は、ピンチやストレスを感じたときに生じる、無意識による一時的な身体や脳の能力の向上、ということをお伝えしました。一見、身体や脳の機能が一時的に向上するのであれば、良いことに感じてしまいますね。ただ、一概にそれが良いことと言えないのが「緊張」の厄介なところです。
次回は、この身体や脳の機能変化がなぜ、残念な結果を生んでしまうのかについて解説していこうと思います。
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]]>tataのサックス講座の感想を頂く中で
という旨の内容をたびたび頂きます。
もちろん、基礎ができていないと上手く曲を吹くことができないのは当然ですし、基礎練習の重要性は声を大にして訴えたい。しかし、この「基礎ができていないから」という発言に多くの人が大きな勘違いをしていることに最近、気が付きました。
前回の記事もそうですが僕は、たびたび曲を演奏する上での「表現方法」について言及しています。ただ、その内容で
と考えている方が、意外と多い。というか、思い返してみれば自分がそうでした。これらの発想がどこからくるのかと考えたところ、曲での表現方法…例えば、この曲をこういう音色で吹きたいと思ったとします。その音色をロングトーンなどの基礎練習で身につけその成果を曲にそのまま使う。多くの人はこんな風に考えている様に感じます。実は、この考え方が大きな勘違いなのです。
僕は、様々なテクニックをコントロールするためだと考えています。
ロングトーンであれば、
これらの細かい項目を意識し、コントロールすること。それは、音楽的な作業ではなく、どちらかというと機械のような正確さを追求する訓練です。もし、基礎練習で行っているロングトーンやタンギングをそっくりそのまま曲で使うと、すべてが均一で機械的な音楽になります。
それは、もちろん正解なのですが基礎練習で練習したことをそっくりそのまま曲で使ってもそれが音楽的になるという訳ではないのです。これが基礎練習と曲練習の狭間にある大きな勘違いです。
例を出して説明しましょう。
例えば、曲の中で12拍をかけて
pからffへクレッシェンドするロングトーンの場面があったとします。
曲であれば、前後のフレーズや自分の役割、音楽の場面によってどんな風なクレッシェンドにするかは異なると思います。もしかすると、最初の4拍はじわじわ大きくなり後半で一気に大きくするのが、良いこともあるでしょうし、クレッシェンドのピークが6拍目にきた時の方がしっくりくるときもあるかもしれません。
これらを考えることが曲練習での表現としたら基礎練習では、8拍かけて均一にクレッシェンドすることをトレーニングします。8拍かけてクレッシェンドするということは、9拍目の頭(直前)までが範囲になります。2拍ごとに音量の目安を決めておき、一定のスピードで均一に音量を上げていきます。
グラフにすると曲練習は曲線的なグラフに基礎練習は、直線的なグラフになります。やってみるとわかると思いますが均一に音量を上げていくというのは、とてもコントロールが難しい。でも、こういうトレーニングをしているからこそ曲練習のときに様々な表現に対応できるのです。
基礎練習ですべてのパターンのクレッシェンドを練習しておくという発想ではキリがありません。それにどういうパターンのクレッシェンドが相応しいかは、それは曲練習のときに考えることで、そのときにアイディアが湧いてくるものです。決して、決まったパターンが存在しているわけではありません。そのときに必要になるのがコントロールする技術というわけです。これが、音色でタンギングでもヴィブラートでも同じことが言えます。「クレッシェンドをする8拍のロングトーン」というたったこれだけでも、基礎練習と曲練習では違う発想なのです。
というお言葉は、もちろん純度100%でそのとおりなのですがだからといって、表現することが時期尚早ではありません。僕からの提案はいま持っている基礎力でしっかりと表現に応用してはいかがでしょうか?ということです。
基礎練習でコントロールをする能力を磨くからこそ表現に生かせる、曲練習で表現を考えるからこそ、基礎が必要なことを実感する。基礎練習というのは、上達したからといって不要になるものではありません。
曲の表現を考えることで自分に足りていない基礎能力が明るみになり、それらを基礎練習で継続して練習することで少しずつ表現の幅が広がっていくのだと思います。
螺旋階段を登るよう基礎練習と曲練習を行ったり来たりと循環することでだんだんと上達していくのだと思います。ぜひ、参考にして頂ければと思います。
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]]>前回は、川上さんの問診をヒントに音の味わい方をご紹介させて頂きました。
今回は、前回行った味わい方をもとにどうやったら音楽表現に活かせるかを考えていきたいと思います。ところで、あなたは、楽曲を表現するときにどういう手順でその曲にふさわしい表現を考えますか?
曲に表現をつける考え方はいろいろとあるんですがもっともイメージをつかみやすい方法は、音として捉えるのではなく「何かに見立てる」ということです。そもそも音楽というのは、1オクターブの中に12個の音がありその12個の音をつかって、様々な世界を見立てて表現するものです。夏を感じさせる曲、冬を感じさせる曲、太陽を感じさせる曲、夜空を感じさせる曲・・・。あなたもいろいろと聴いてきたと思います。人々が音楽に心惹かれるのは作曲者が見立てをして曲を作っているからですね。
僕たちが音楽を聴くときも音の現象そのものを聴くことは皆無に等しく、作曲者が意図した世界観を視聴者が独自の観点で見立てをしているからこそ、音楽を聴くことで、わくわくしたり、感動できるわけです。
前回、音の味わい方は、以下のことをやってみました。
つまり、これって見立てなんですね。前回はご自身の音をどう感じるのかを味わってみたのですがこの方法は曲の表現にも応用ができます。今度は、ご自身の音ではなく、その曲がもつモチーフやフレーズをこれらの方法で見立てるわけです。ただ、例えば夏をイメージして吹くというのは、大雑把すぎ。視聴者としてであれば、それでいいですが、表現者として、その見立てをもっとリアルに見立てをするべきです。
そこで有効なのは、川上さんの質問です。前回は、「痛み」を「自分の音」に変えて質問に答えてもらいましたが今回は、「痛み」を「その曲に相応しい音(フレーズ)」と変えて質問に答えてください。
どうでしょう?これらの質問に答えることで作曲者が意図した見立てを垣間見ることができるのではないでしょうか?後は、前回に行った「自分の音」の質問の答えと「その曲に相応しい音(フレーズ)」の質問の答えの差を埋めていくこの作業が必要になります。自分自身の音をしっかりと味わう(見立てる)ことによりスタート地点を見出すことが出来、曲の表現を味わう(見立てる)ことによりゴール地点がわかります。
これらを音、モチーフ、フレーズ、セクション、曲全体の単位で細かく細かく味わう(見立て)をしていきましょう。表現するというと、何をやったらいいのかわからない。誰も教えてくれない。というのが、本音だと思いますが表現方法を考えるきっかけが見つかれば幸いです。
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]]>今回も、前回に引き続き音を味わうことをテーマにしたいと思います。前回は、音を味わうには心の余裕が必要だというお話をしました。
では、もし音を味わう心の余裕ができたとしてどうすれば上手く音を味わうことができるでしょうか?心に余裕を持ち、自身の音と向き合うことで何かを感じ、今まで気づけなかった事を発見できれば良いのですがもしかすると音を味わってみた感想が
となるかもしれません。
感じ方にルールがあるわけではありませんがこれまでと違った感じ方ができる方法をご提案したいと思います。では、前回、紹介した川上さんが患者さんへ問いかけていた質問を思い出してみましょう。川上さんは、患者さんの痛みが出る患部を確認して痛みを味わってもらい、次の質問をします。
この痛みをご自身の音に置き換えてみましょう。
こんなことって恐らく、やったことがないはずです。ただ、これらの質問があなたの音を改善し、そして、練習している曲をさらに音楽的にするヒントが隠されています。音やリズムを間違えなければ完成という段階からさらに音楽を表現するというところへ昇華できるのです。では、ひとつずつ丁寧に手順に沿ってやってみましょう。
「ターラッタッタ ドゥーヴァ」こんな感じで、自分の吹いている音を擬音化して表現をします。音が広がっている感じなら、同じフレーズでも「ビヤァーヴァッヴァッ バヤァーバ」こんな感じになるかもしれませんね。あくまでこれらは例で、あなたの感じたままを言葉にしてみてください。特に正解というものはありませんので、自分の力で擬音化することが大切です。
実際に音を録音すると音は波形になって出てくるのですがこれもあくまでイメージで大丈夫です。できれば、波形ではなく3Dで立体的にイメージした方が良いと思います。音の出だしは、大きくて四角、その後だんだんと丸みを帯びてきて細くなるとか、ここの箇所は、ピアノ線の様に細くピンと張っているとか楽曲を演奏する場合は、すべての音を同じ音質、音色で演奏するのではありません。場面、場面によって形は変わってくるでしょう。
川上さんは、色のみを聞いていますが、僕は、ここに
も加えてほしいと思います。例えば、この音は、硬く鋭く動きが鈍い。重い感じの色でザラザラしているとか、水のように冷たく、掴めないかんじとか、質感を感じることって重要だと思うのです。
この質問は、もし自分が出しているサックスの音に人格があったなら何を考えて、何を訴えているのかを考えると良いです。苦しい、嬉しい、寒い、痛い、疲れたとか風を感じて清々しそうだとか大切な人に想いを馳せるようにしっかりとご自身の音を労ってあげましょう。
どうでしょう?こんな音の味わい方をやったことありますか?この「音を味わう」という視点は、言い換えればこれまでの視点とは別の角度で音色を観察してみるという事です。そうすることで思ってもいない音の様々な表情が見えてきます。あなたの音は、どんな形でどんな色でどんな言葉を話していましたか?
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]]>僕の生徒さんに川上さんという鍼灸の先生がいます。川上さんが問診の際に行っていることがサックスの上達にも繋がる面白い視点であったのでご紹介させて頂きます。
川上さんが問診の際に行っていることは患者さん自身の身体の状態を味わってもらうということ。ほとんどの患者さんは、「え~、味わうって!?」と言いたげな様子で少々いぶしげな顔をするらしいですが自分自身の体の状態に意識を向ける働きかけを行うだけでも、感受性が高まりやすくなり、それだけで症状に対する感じ方が変化することがあると言います。
川上さんは、患者さんの痛みが出る患部を確認して10秒ほど痛みを味わってもらいその痛みを表現してもらうそうです。
など、擬音化、大きさ、色、症状と繋がる場面などを尋ね、より症状に対する認識を深めてもらおうとしています。川上さんは、これらの問診でおおよその病因の検討をつけたうえで、患者さんのお身体を診ていると言います。
おそらく、患者さんは、川上さんのこれらの質問を受けなければ身体の状態や痛みを深く感じてみるということなどはなかったでしょう。症状に対する感じ方も変化することがあるということは、質問をされるまで痛みや身体の状態を患者さん自身が正確に認知していなかったのだと思います。
人間は、意識していないものや無知であるものに関しては例え、視界に入っていても見えない。音が鳴っていても聴こえないそういう都合のよいところがあります。
ところで、あなたは、ご自身のサックスの音を深く深く味わったことはありますか?実は、僕も含めて自分の音を「味わう」という感覚でサックスを吹くのは稀だと思います。
なぜなら、サックスを吹いている時には、基本的に余裕がないからです。
そのため、自分の音を聴いていても音を間違えるなどのミスは、尋常じゃないくらい神経を使っていますが深く深く自分の音を味わうことができているのかというと皆無に等しいと思います。レッスンでよくある光景として、できるフレーズはしっかりした音が鳴っているのですが、できないフレーズを何度も練習しているとだんだん音が痩せこけていき、フレーズを間違えずに吹くということのみに一生懸命になっていく様子があります。
自分の音を味わうには、余裕が必要になります。ロングトーンをしているとき
スケールを練習しているとき、曲の練習をしているとき、速いパッセージを吹いているとき、あなたは、どの時点で余裕がなくなり自分の音を味わうという感覚がなくなりますか?
練習において重要なのは間違わずに吹けることよりも練習に課題(アジェンダ)を設定して、その課題をできているか、できていないかを判断することです。
この判断をすることのベースにあるのは自身の音をしっかりと味わえるという心の余裕が必要だと思うのです。逆にいうと、心の余裕がない場合は、練習の課題を高く設定してしまっているということです。
もっと心の余裕を持てる練習ステップを設定することが重要でしょう。難しいフレーズは、最初から吹こうとするのではなく
など、自分の音を味わえる(心の余裕を持つ)まで分解して練習しましょう。「自分の音を味わえているか」と自分に問いかけてください。
きっと、その問いかけが練習の質を上げてくれます。
今回の気付きを与えてくれた川上さんのお店はこちらです。なかなか緩和されない体調不良をお持ちの方はぜひ、川上さんにご相談ください。
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