バードと呼ばれた男

今日、ご紹介するサックス奏者はサックスをやっていると誰もが知っているチャーリーパーカー。「バード」という愛称としても親しまれたジャズアルトサックス奏者です。サックスを始めて間のない人でも名前くらいは聞いた事があると思います。

なぜ、彼の名前は後世にも語り継がれている大スターなのか?それは、ひとつの時代を作った人だからです。モダンジャズのパイオニアになった人物です。だいたい第二次世界大戦が始まる直前までのジャズは「スウィングジャズ」という名称で、アメリカで人気のあるポピュラー音楽のジャンルの一つでした。グレンミラー、ベニーグッドマン、デュークエリントンなどの楽団が有名ですが、10から20人程度のビックバンドと呼ばれる編成で、ダンスホールで演奏されることで一般的にも受けいられました。

その後、第二次世界大中に革命的と言ってよいスタイルのジャズが生まれますそれが、「ビバップ」もしくは、「バップ」と呼ばれるスタイルです。ここを境にビバップ以降のジャズを「モダンジャズ」。ビバップ登場以前の音楽を「オールドジャズ」と呼ばれています。

チャーリーパーカーは、「ビバップ」というスタイルの創始者の一人でありジャズ界の天才です。「ビバップ」はアフターアワーセッションと呼ばれる仕事の後で、仲間内の行われるジャムセッションでお互いに競い、腕を磨く中で生まれた音楽です。当時としては、過激でめちゃくちゃアンダーグランドな音楽でした。

チャーリーパーカーもその一人だった訳ですが、彼のアドリブプレイの素晴らしさがジャズのモダン化の基点のひとつとなっているのは間違いありません。聴いてみるとわかりますが、ものすごいスピード感、でもちゃんと音楽に整合性があってスリリングでかっこいい。

そして、このスタイルのすごいところが、アンダーグランドな音楽であったにも関わらず音楽理論的には、超ハイクオリティーでアドリブで使われている音を分析するとすべての音に論理的な裏付けを求める事が可能だったところです。そんなところからビ・バップの父とも呼ばれています。まだ聴いた事がない方はぜひ、聴いてみてください。

『名盤JAZZ 25選~Historical Albums of The 20th Century
チャーリー・パーカー・オン・サヴォイ~マスター・テイクス 』

昔のレコードなので、録音状況は今より良くないですがそれも当時の雰囲気を知る良い味になっていますw今の時代であれば、これだけの偉業を成せば、名声と素晴らしい人生を送れたはずですが、パーカーは、お酒と麻薬で身を滅ぼし34歳という若さでこの世の去ります。

パーカーの半生を、クリント・イースト・ウッドが『Bird』という映画を撮っています。なんとも、重いというか、暗いというか…そんな映画ですが、パーカーの波瀾万丈の人生、苦悩や繊細さが垣間みれます。この時代のジャズマンは麻薬と切っても切れない関係にあります。もちろん、麻薬は自分と自分を取り巻く人を破滅に導くもので絶対に手を出してはいけないものです。しかし、ジャズが生まれた背景、人種差別、貧困、理不尽の渦の中にいた時代。ジャズの歴史に触れると改めて色んな事を考えさせられます。

『Bird』

過去の音楽を知ることは、その時代の生臭い空気を肌で感じることかもしれません。そんな難しい話は置いといて純粋に音楽として聴くのもありです。いつ聴いても、やっぱりかっこいいですからね。それでは、今日はこの辺で

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