♯と♭の運指

前回までの運指の説明でCのメジャースケールは、全音域カバーしました。

今回は、♯と♭の運指を覚えましょう。まず、最初に♯と♭は何?というところからスタートしましょう。

  • ♯→半音上がる
    ♭→半音下がる

という事になります。ここで「全音」と「半音」の違いを理解しておきましょう。ピアノの鍵盤を見ながらの方が理解できると思います。

「ド」と「レ」は、隣同士の音だと思っているかもしれませんが実は、「ド」と「レ」の間には音があります。その音が半音です。ちなみに「ド」と「レ」の関係を全音と言います。つまり、半音は鍵盤1つ分の関係、全音は鍵盤2つ分の関係となります。では、「ド」と「レ」の間にある音をどの様に表現するのか、というと、それが♯や♭なのです。

  • ♯→半音上がる
    ♭→半音下がる

でしたね。ド♯だと、ドの半音上の音。レ♭だと、レの半音下の音。となります。図でもわかると思いますが、ド♯とレ♭は同じ音です。ここで注意が必要なのは、同じ音なのであればどちらか1つを覚えておけば良いと考えてしまう事です。これは、NGです。

ド♯でもレ♭でも、どちらも瞬時に認識できる様にトレーニングしてください。さて、鍵盤を見るとすべてに半音があるわけではありませんね。「ミ」と「ファ」の間、「シ」と「ド」の間は黒鍵がありません。では、「ミ♯」はどうなるのでしょう。実は、「ミ♯」は「ファ」になります。♯や♭は、何も黒鍵を示す記号でなく、あくまで♯→半音上がる、♭→半音下がるという事なので、間違えない様にしてください。

「ドレミファソラシド」の♯や♭の運指

各音をキーの名称を確認しながら覚えていきます。

「ド♯」・「レ♭」

テーブルキーにある「C♯」と書いてあるところです。「ド」の運指にプラスして「C♯」のキーを押さえます。管体の下、U字に曲がっているところら辺のタンポが開きます。タンポが開くという事は、管体が短くなるという事ですね。つまり、「ド」の音より音が高くなるということです。

復習ですが、「C♯」の隣にあるキーは「B(H)」は、タンポが閉じます。つまり、管体が長くなったので音が低くなります。だから、「シ」の音が鳴る訳です。

「レ♯」・「ミ♭」

7番のキーの上にあるキーが「E♭(D♯)」です。「レ」の運指にプラスして「E♭(D♯)」を押さえます。「E♭(D♯)」を押すことによって管体のU字の上あたり裏にあるタンポが開きます。開くという事は、管体が短くなるという事。つまり、音が「レ」より高くなります。

「ファ♯」・「ソ♭」

この音の運指は2つあります。「ソ」の運指にプラスして5番を加えるかもしくは、「ファ」の運指にプラスして「TF」のキーを加えるかです。これもどちらを覚えておけばよいのではなく、両方の運指を覚える必要があります。

前後の音符の状況によって、手の動作的に簡単に動く方を採用します。例えば、半音階で進行している場合は「TF」を使い、順次進行の場合は「5番」を使います。どちらの運指もあまり管体の長さが変わらないのがわかると思います。ちなみに「TF」は、右手の薬指で押さえます。

「ソ♯」・「ラ♭」

テーブルキーの上にあるキーが「G♯」です。「ソ」の運指にプラスし「G♯」のキーを押さえます。こちらも管体の中間あたりのタンポが開きます。開くということは、「ソ」よりも音が高くなるということですね。

「ラ♯」・「シ♭」

この音も2つの運指があります。「P」と「TA」のキーです。「P」のキーとは、1番の下にある小さなキーです。これは、左手の人差し指で1番と共に一緒に押さえます。つまり「シ」の運指にプラスして「P」のキーを押さえるという事になります。

もうひとつは「TA」です。右手の人差し指の付け根で押せるキーがあります。C3のキーがある3つのキーの一番下が「TA」です。「ラ」の運指にプラスして「TA」を押さえます。こちらもどちらの運指もよく使います。

もちろん前後の音符によって運指を使い分けるのですが例えば、シ→シ♭と下がる場合は、「P」は使えません。やってみるとわかると思いますが、既に「シ」の運指をしている場合は同じ指で「P」を押さえることができません。この場合は「TA」を使うことになります。

さて、どうでしょう?すべての♯や♭が、既に知っている「ドレミファソラシ」に何かしらのキーを足したものとなります。

オクターブ上の運指

実は、オクターブキーを押しただけですべて同じ運指です。「ド♯」のみが、解放です←どこのキーも押さない状態です。これで、真ん中の音域の♯や♭の運指をカバーしました。次回は、低音域と高音域の♯、♭の運指を覚えていきましょう。