前回は、中音域の♯、♭の運指を解説しました。
今回は、高音域、低音域の♯、♭の運指を覚えていきます。
高音域(♯、♭)
高音域はサイドキーを使います。Cメジャースケールのみの運指を解説した時にC1からC5までキーがあるとお伝えしましたが、実はこのキーを順番に押さえていくと半音階となります。今、一度、C1からC5のキーがどこにあるかを確認しましょう。
では、高音域の運指を確認していきます。♯・♭のみを取り出して覚えるよりも半音階の形で覚えた方が効率的です。前回の高音域の運指の復習も兼ねて確認していきましょう。
ド
オクターブ+2
基本となる2オクターブの「ドレミファソラシ」の一番、上の「ド」の音です。
ド♯・レ♭
オクターブ
前回は、真ん中の「ド♯」は解放(何もキーを押さえない状態)と解説しましたがオクターブ上の「ド♯」もオクターブキーを加えるだけで、同じ運指です。
レ
オクターブ+C1
さて、ここからサイドキーを使います。C1は左手の手の平にある3つのキーの一番、自分自身に近いキーです。
レ♯・ミ♭
オクターブ+C1+C2
「レ」の運指にプラスしてC2を加えましょう。
C2はC1の隣にあるキーです。
ミ
オクターブ+C1+C2+C3
「 レ♯・ミ♭」の運指にC3をプラスしましょう。
C3は右手の人指し指の付け根で押さえます。
ファ
オクターブ+C1+C2+C3+C4
「 ミ」の運指にC4をプラスしましょう。
C4は左手の手の平にある3つのキーの一番、奥にあるキーです。
ファ♯・ソ♭
オクターブ+C1+C2+C3+C4+C5
「 ファ」の運指にC5をプラスしましょう。C5は、右手の薬指で押さえます。
この様に高音域は、サイドキーの順番をしっかりと覚えてひとつずつキーを足していけば、良いのです。C1からC5までの半音階の指の動きの流れを把握する様にしてください。指の順番のみを覚えるのではなく、頭の中ではしっかりと音名とリンクする様にしてください。高音域は、最初は音が当たりにくく、音が鳴らないことが多いので出せる音からスラーで半音階を登っていきましょう。
低音域(♭)
前回までで「シ」の位置は覚えました。さらに最低音である「シ♭」の運指を覚えましょう。
「シ♭」の運指は、テーブルキーにあります。「ド」の運指にプラスしてテーブルキーの「B♭」を押さえます。
サックスにあるすべてのキーが閉じている状態になります。管体が一番長い状態ですね。最低音「シ♭」を押せる時、同じ運指なのですが2つのパターンがあります。それは、いきなり「シ♭」の音を出す場合と、「シ」→「シ♭」と繋がる場合です。「シ♭」のみをいきなり吹く場合は、「ド」+「B♭」でOKです。後者の「シ」→「シ♭」と繋がる場合は、少しだけ運指が異なります。
この様に「シ」の運指を押さえたまま「シ♭」を押さえます。「シ」→「シ♭」の場合、通常であれば左手の小指をテーブルキーの中で移動させなければなりません。その小指の動きを円滑にするためにテーブルキーのキーの間に黒いローラーが付いているのですが、「シ」→「シ♭」については「シ」の運指を軸(指先はB(H)に置いたまま)に小指の側面でB♭のキーを押さえた方がスムーズな音運びとなります。
さて、これですべての運指カバーしました。「運指」+「音名」をしっかりとリンクさせて運指を覚えましょう。ちなみに運指表を見ながらロングトーンや音階、曲などを吹いても効果はありません。間違ってもよいので、運指を頭に入れてから何も見ないでロングトーンや音階にて運指を覚えましょう。運指がわからなくなった時や間違えたときに運指表を見て確認すれば良いのです。