アンブシュアの具体的な作り方にお伝えします。ただし、完成された正しいアンブシュアというものはありません。サックスは、Jazzからクラシックまで幅広い音楽で活躍する事から生の管楽器としては考えられないくらい音色に多様性があります。
これがサックスの音だ!と定義できないくらい色んな音があるんですね。それが、すべて同じアンブシュアである。と考えるの無理があります。求める音が違うことにより様々な形があります。ただ、それがどんなアンブシュアであっても
前回お伝えした大原則については共通しています。くどい様ですが、正しいアンブシュアの形ではなく、アンブシュアに対する正しい考え方です。
さて、今回、お伝えするアンブシュアは、いわゆるシングルリップと呼ばれるアンブシュアです。クラシック用のアンブシュアと呼ばれる事がありますが
ジャズやポップスでも幅広く使われているアンブシュアです。さて、前回お伝えしたアンブシュアの原則とは何だったでしょう?
- 「マウスピースに輪ゴムをかえた様に中心に向って均一に力をくわえる」
でした。
さて、この状態を作る母音があります。それは、何でしょう?口に出して確認してみましょう。「あ」「い」「う」「え」「お」そうです。
アンブシュアに最適な口の形は「ウ」です。他には口笛を吹く時の形をイメージしても良いと思います。口をすぼめてる形で中心に向って均一に力が働いていますね。これがアンブシュア最初のポイントです。
ポイント1
アンブシュアは「ウ」の形であること。さらに、ポイントを見ていきましょう。
ポイント2
上歯については、直接マウスピースにあたります。
歯のあたる位置はマウスピースの選択から1㎝〜1.5㎝が良いですが、
歯の形や使用しているマウスピースによって最適なポジションは異なります。
ポイント3
下唇は下歯の上に巻き込みます。
巻き込んだ下唇の上にリードが触れるのですが、丁度クッションの役割をしています。
ポイント4
上歯と下歯は縦ラインはほぼ同じになります。口の中はこんな状態です。
↓
さて、下唇を巻いてマウスピースをくわえると上手く「ウ」の形が作れないと思います。それは、口の構造にあります。人間は、ご飯を食べるために口を使います。食べ物を咀嚼(そしゃく)するために上下に歯はついており力は上下に働きます。
なんと、人間の口は上下の力には強いのですが左右を中央に寄せる力は、非常に弱い。残念ながら、これはサックスを継続して吹く事によって鍛えるしかありません。そこで、意識すべきところは力の入れ方上下の力は意識をしてなくても、強くなる(噛み過ぎる)のである程度のところで固定するイメージ。左右を中央に寄せる力を最大限、意識しましょう。
最初はそれでも、口の横から息が漏れたり息を吹き込んだ時にプルプルと耐えられなるでしょう。そうなるとアンブシュアが崩れてしまいがちになりますが安定するまでは、常に意識し続ける必要があります。崩れてしまうアンブシュアに負けないで、根気よく左右を中央に寄せるイメージを持ってください。上下の力はリラックス。左右については、常に力を維持。という感じです。
まとめです。
- 1、アンブシュアは「ウ」の形であること。
2、歯については、直接マウスピースにあたります。 - 歯のあたる位置はマウスピースの選択から1㎝〜1.5㎝。歯の形や使用しているマウスピースによって最適なポジションは異なる。下唇は下歯の上に巻き込む
- 3、上歯と下歯は縦ラインはほぼ同じになります。
4、上下の力はリラックス。左右を中央に寄せる力は常に維持
5、アンブシュアを形成する筋肉は、吹き続けることにより鍛えられるのでアンブシュアであれこれ悩まない。(安定するまでしばらく時間はかかる)