音楽知識がまったくわからなくても、簡単3ステップでできる移調の方法

前回のお話では
サックスが移調楽器であるという事をお伝えしました。

こちらの記事

実はサックスの『ド』は、
本当の『ド』ではなかったというお話ですね。

もし、ピアノの楽譜の様にin Cの楽譜をサックスで演奏したい
という場合は、サックス用に書き直さなければなりません。

今日はその方法をお伝えします。

今回のご説明は、特に音楽の専門用語は
なるべく使わないで説明していきたいと思います。

また、特別な音楽知識も
必要ありませんので頑張ってついてきてください。

まず、基本的に押さえてほしいポイントは、

『きれいにすべての音が同じ様にズレている』

という事です。

これが、意外と重要なことなので覚えておいてください。
明日、テストに出ます(笑)

ここで少し移調の話は置いておいて
スケールの話をしたいと思います。

まったく関係のない話ではなく、
後で移調の方法に戻ってくるので、ご心配なく。

スケールに取組んでいる人も取組んでいない人も
スケールには12keyあるというのは、なんとなくご存知だと思います。

例えば、メジャースケール。

ドから始まってそのままピアノの白鍵を押していく
一番、馴染みがあるスケールですね。

実は、12keyあっても、スケールはこれ1種類なのです。

ん?12個あるのに、1種類?
と頭に『?』がたくさんついていることでしょう。

スケールの種類が1種類しかないと言っているのではありませんよ。
メジャースケールという同じスケールなのですが、
始まる開始音が12個あるから12keyあるだけで
スケールとして、全く同じスケールなのだという事です。

どういう事か、わかりやすく説明しましょう。

サックスだとわかりにくいのでピアノの鍵盤を見てください。
白鍵と黒鍵がありますね。

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まず、前提のルールとして
白鍵だろうと黒鍵だろうと隣同士ならぶ音の幅は同じです
1オクターブ(ドから上のドまで)には12個の鍵盤が並んでおり
つまり、1オクターブの音の幅を12等分していると考えてください。

次に隣同士の音を確認しましょう。

「ド」から右へズレると「レ」になります。
ただ、「ド」と「レ」の間には黒鍵が存在しますね。
この音の幅を「全音」と言います。
つまり、黒鍵も含めると2つ鍵盤が移動した幅になります。

「ド」と「ド♯」という様に黒鍵に移動した場合も隣同士の音になります。
この音の幅を「半音」と言います。
これは、1つ分の鍵盤が移動した幅ですね。

「全音」は鍵盤2つ分。「半音」は鍵盤1つ分。
という風に理解しておいてください。

さて、問題です。
「ミ」と「ファ」は、全音ですか?それとも半音ですか?

ちゃんと考えましたか?
ファイナルアンサー?

答えは、「半音」です。
「ミ」と「ファ」の間には黒鍵がありませんね。
ゆえに鍵盤1つ分の幅しかありませんので、「半音」となります。
同じ様に「シ」と「ド」の間も黒鍵がありませんので「半音」となります。

さて、お話をメジャースケールに戻りましょう。

メジャースケールは、「ド」から始まって白鍵だけを使ったスケールですね。
このメジャースケールを先ほどの音の幅という観点で見れば、
どんなスケールでしょうか?

「ド」と「レ」の幅は 「全音」
「レ」と「ミ」の幅は 「全音」
「ミ」と「ファ」の幅は「半音」
「ファ」と「ソ」の幅は「全音」
「ソ」と「ラ」の幅は 「全音」
「ラ」と「シ」の幅は 「全音」
「シ」と「ド」の幅は 「半音」

ひとつひとつ調べた各音の幅を横に並べてみましょう。

「全音」「全音」「半音」「全音」「全音」「全音」「半音」

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実は、この音の幅の並びこそがメジャースケールの本当の姿です(笑)

つまり、開始音がどこからスタートしてもこの幅の原則に従って
スケールを弾くとそれがメジャースケールになるという訳です。

実際に確かめてみましょう。
試しに「ソ」からスタートしてみます。

「全音」:「ソ」→「ラ」
「全音」:「ラ」→「シ」
「半音」:「シ」→「ド」
「全音」:「ド」→「レ」
「全音」:「レ」→「ミ」
「全音」:「ミ」→「ファ♯」
「半音」:「ファ♯」→「ソ」

「ソ」「ラ」「シ」「ド」「レ」「ミ」「ファ♯」「ソ」

はい。「ファ」に♯が付きましたね。
「ミ」から全音の幅となると鍵盤2つ分となるので「ファ♯」となります。

ピアノがあれば実際に音を鳴らしてみてほしいのですが
ドから始めたメジャースケールと同じ響きがするのがわかると思います。

違うのは開始音だけです。
ちなみに、楽譜の最初に予め♯や♭が付いてある楽譜がありますね。

それは「調号」といって、調性を示すものになります。
もし、「ソ」から始まるスケールを使って曲を作れば、
当然、「ファ」には常に♯がついている状態になります。

だから、最初からファには♯をつけてくださいね
という事で、楽譜の最初に♯がついています。

そして、スケールの開始音が全部で12個。
これは白鍵と黒鍵合わせて、1オクターブ内に存在する音の数ですね。
だから、全部で12keyあるのです。

♭が5つぐらいあると楽譜を見ただけで「げっ!!」
って思うと思いますが、実は同じメジャースケールだったりするのです

さて、さきほど「ド」から始めるスケールを
「ソ」から始めるスケールに変換してみましたね。

わかりますか?
これが移調の作業です(笑)

「ド」 から数えれば鍵盤7個分移動した幅が「ソ」ですね。
「レ」 から数えれば鍵盤7個分移動した幅が「ラ」ですね。
「ミ 」から数えれば鍵盤7個分移動した幅が「シ」ですね。
「ファ」から数えれば鍵盤7個分移動した幅が「ド」ですね。
「ソ」 から数えれば鍵盤7個分移動した幅が「レ」ですね。
「ラ」 から数えれば鍵盤7個分移動した幅が「ミ」ですね。
「シ」 から数えれば鍵盤7個分移動した幅が「ファ♯」ですね。
「ド」 から数えれば鍵盤7個分移動した幅が「ソ」ですね。

「ド」から始まるスケールすべての音が綺麗に鍵盤7個分移動しています。

つまり、メロディーを形成している各音の幅を変えずに
そのまま上げたり下げたりする事が移調です。

まさに調(key)が移動しているために移調と呼ぶのです。

カラオケでキーを変えるっていうのはこういう原理です。

1つ上げは、音の相対関係をまったく変えずにすべての音を半音上げること。
1つ下げは、音の相対関係をまったく変えずにすべての音を全音下げること。

となります。

さて、話をぐっとサックスの移調作業に戻しますが
サックス用として販売されている楽譜はもともと移調されて書かれている、
という事でしたね。

であれば、サックス用に書かれた音程の幅さえわかれば
すべての音を相対関係を変えずに移動させれば良いという事になります。

では、ピアノの楽譜とサックスの楽譜は
どれくらいの幅の違いで楽譜が書かれているでしょうか?

アルトサックス(E♭)の場合、ピアノを基準にして鍵盤3つ分低く
テナーサックス(B♭)の場合、ピアノを基準にして鍵盤2つ分高く書かれています。

ピアノ(in C)とサックスの音の対応表は以下になります。

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ちなみにこの対応表は、ドレミではなく英語表記なっています。

ド = C レ = D ミ = E ファ = F ソ = G ラ = A シ = B

この表は、アルトであれば鍵盤3つ分、テナーであれば鍵盤2つ分を
そのままズラしただけなので、これを見てひとつひとつの音を変換していけば
楽譜の読み替えは可能です。

でも、いちいちひとつひとつの音を確かめて変更していくのは、
正直面倒くさいですよね?

すべての音が相対関係を変えずにズラしてるだけなので
ひとつひとつの音を考えなくても、3ステップで移調作業は完了します。

では、その3ステップをお伝えします。

ステップ1 調号を変更する
ステップ2 音符の位置を移動させる
ステップ3 臨時記号を調整する

たったこれだけです。
それぞれ詳しく説明していきましょう。

ステップ1 調号を変更する

調号といっても訳わからん。という場合でも大丈夫です。
秘密兵器を用意しています。

分かりやすい様に実際に例を出しながらやってみましょう。
例えば、こんなピアノ譜(in C)があったとしましょう。

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1、ピアノ譜(in C)の調号を確認する

調号とは、楽譜の最初に書かれている♯や♭の事です。

確認すべき事は、調号の数を確認してください。
この楽譜であれば、♯が2個ついていますね。

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もちろん、♭の場合もあるので気をつけてください。

2、5度圏でピアノ譜に調号に書かれている音名を確認する

さて、秘密兵器の出番です。
下記の表は5度圏と呼ばれる調性の関係を示した図なのですが、
この図が何を示しているなんて事は、この際どーでも良いです。

見るべきところは、調号です。
ピアノ譜(in C)の調号は♯2個でしたよね?
下記の表で同じところを探します。その横に「D」と書いてありますね。
この音名(アルファベット)を確認してください。

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3、対応表でサックスに対応する音名を確認する

先ほど確認した音名は「D」でした。
表にしたがって見れば、アルトであれば「B」、テナーであれば「E」というのがわります。

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4、再度、5度圏に戻ってサックスの調号を確認する。

アルトは「B」なので、♯が5つ
テナーは「E」なので、♯が4つ

という事になります。

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これで、1ステップの調号の変更は終了です

ステップ2 音符の位置を移動させる

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アルトの場合は、取りあえず、すべての音符を2つ分下げます。
単純作業の様にすべての音符を一つ下の線に書き換えればよいです。

ステップ1で調号を♯5つにして、
すべての音をひとつ下の線に書き換えれば次の様になります。

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ただ、この時に例外があって、 ピアノ譜(in C)での調号が♯で
サックスの調号が♭になる場合のみ、音符は2つ分ではなく音符1つ分下げてください。

テナーの場合は、すべての音符の1つ分上げます。

ステップ1で調号を♯4つにして、
すべての音をひとつ下の線に書き換えれば次の様になります。

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テナーの場合も例外があって、 ピアノ譜(in C)での調号が♯で
サックスの調号が♭になる場合のみ、音符は1つ分ではなく2つ分上げてください。

はい、ステップ2はこれで終了です。

ステップ3 臨時記号を調整する

楽譜の中に臨時記号が存在する場合は、その音だけ個別具体的に修正していきましょう。
下記のピアノ譜(in C)では、臨時記号でレに♯が付いていますね。

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先ほど、移調したサックス譜(アルト)でもこの部分は半音上げなければなりません。

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さて、「シ」に♯を付けるだけでも良いのですが、
下記の様にした方が楽譜が見やすいですね。

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あくまで、臨時記号によって半音上げるか、半音下がるかと言う判断をしてください。
ピアノ譜(in C)が♯だからと言って必ずしも、♯が付く訳ではありません。
例えば、移調した楽譜が調号によって♭になっていたとしましょう。

その場合は、♯を付けるのではなく、
♭→ナチュラル になる事によって半音上がる場合もありますので注意してください。

次にテナーサックスの場合も見ていきましょう。

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印で示したところが臨時記号によって、半音上がります。

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これもミに♯をつけても良いのですが、
下記の様にした方がわかりやすいと思います。

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さて、どうだったでしょうか?

移調の方法は

ステップ1 調号を変える
ステップ2 すべての音符を移動させる
ステップ3 臨時記号を調整する

という簡単な3ステップで出来てしまいます。

音楽知識がなくても、この通りに進めていけば移調作業はできるので
ぜひ、試してみてください。

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